高麗大学のキム・テグン、チェ・ドンフン教授の研究チーム、青色TADF OLEDを開発


2024年12月4日 ET News

 

高麗大学は、電気電子工学部のキム・テグン教授と化学科のチェ・ドンフン教授が率いる研究チームが、青色熱活性遅延蛍光(TADF)有機EL(OLED)の開発に成功したと12月4日に発表しました。

 

TADF技術とは

TADF(熱活性遅延蛍光)は、蛍光素子の内部量子効率を100%まで引き上げる技術です。熱エネルギーを利用して、三重項励起子を一重項励起子に移動させることで発光効率を向上させます。

 

研究成果の概要

研究チームは、新素材「Ad-mCP」を開発し、分子構造を改善することで効率と耐久性を向上させました。この「Ad-mCP」は、OLEDの発光層においてホスト層と補助層のHTL(ホール輸送層)材料として使用される化学複合物「mCP」の特性を維持しつつ、アダマンテイン基を結合させ、熱安定性を大幅に改善した新素材です。

 

この素材は、高いガラス転移温度を持ち、熱的安定性を強化するとともに、優れた三重項エネルギー特性を備えています。これにより、素子の安定性と外部量子効率が最大29.9%まで向上しました。

 

研究チームは、この新しいホスト素材がOLEDの光学効率と熱的安定性を飛躍的に向上させ、青色TADF OLED素子の成功的な実現に寄与したと説明しています。

 

キム教授は、「今回の研究はディスプレイ技術の商業化可能性を一段階引き上げる重要な転換点だ」と述べました。

 

研究支援と発表

この研究は、韓国研究財団のリーダー(創意)研究事業および大学重点研究所支援事業の助成を受けて実施され、先月25日に国際学術誌 Advanced Functional Materials に掲載されました。