2025年3月10日 WitDisplay
ITCHEM社は3月10日、米国Universal Display(UDC)Ventures社からの投資を受けたことを発表した。UDCは、世界的な有機EL(OLED)材料メーカーである。ITCHEMは投資額の具体的な数値を明らかにしていないが、「数百万ドル規模に達する」と述べている。
ITCHEMは、もともと製薬業界向けの中間体を扱うCDMO(受託開発製造機関)メーカーとしてスタートし、その後OLED材料市場へと事業を拡大した。同社は現在、重水素(デューテリウム)に関する韓国の国家プロジェクトを進めており、重水素は新たな戦略的材料として注目されている。
専門家によると、ディスプレイメーカー向けのOLED材料供給を拡大したいUDCと、生産能力の増強を目指すITCHEMの利益は一致しているという。ITCHEMは、この投資を活用して拠点を拡張し、主要材料の韓国国内での生産施設を増強する計画を発表した。
今回の投資は、UDC Venturesにとって韓国市場での初めての投資とされている。生産能力の拡大、製品の改良、さらなる研究開発(R&D)推進を目的としている。ITCHEMの金仁圭(キム・インギュ)CEOは、「当社の能力を強化し、顧客を支援できるソリューションを継続的に提供していきます」とコメントした。