2025年1月22日 Display Daily
AMOLED蒸着材料市場に注目しているなら、**Universal Display Corporation(UDC)**が依然として業界トップの座を堅持していることはご存じでしょう。しかし、話題の中心となっているのは、LG化学が2025年にもデュポンを追い抜き、業界2位に浮上する可能性があるという点です。これはCounterpoint(DSCCよりグラフィックスが優れていると評判の調査会社)の予測によるものです。
Counterpointによると、LG化学が2024年初頭にデュポンを追い越すとの予測がありましたが、いくつかの予想外の事態により計画が遅延しました。その要因としては、LGディスプレイでのWOLED(ホワイトOLED)生産の低迷や、OLED iPadの需要が予想を下回ったことが挙げられます。また、中国のパネルメーカーが自国製の材料を採用する傾向が強まったことも影響しました。これにより、デュポンはわずかな余地を保ち、暫定的に2位を維持しましたが、2025年にはLG化学が追いつく可能性が高いと分析されています。
OLED技術における最大の課題の1つは、完璧な青色サブピクセルを作ることです。なぜ青色がそれほど難しいのかというと、青色の有機化合物は赤や緑に比べて寿命が短く、エネルギー消費も大きい傾向があるからです。そのため、ディスプレイ全体の耐久性や効率性は、青色の性能に大きく左右されます。
現在の蛍光青色を置き換えるために、次世代技術が複数登場しています。例えば、TADF(熱活性化遅延蛍光)、HF(ハイパーフルオレッセント)、およびリン光ソリューションなどです。最近では、VisionoxがHF青色を予想より早く発表し業界を驚かせましたが、生産量はまだ少量にとどまっています。一方で、最も期待されているリン光青色は寿命の問題に直面しており、大規模な商業化は2026年以降になる見込みです。
注目すべきは、中国のパネルメーカーが急速に自国の蒸着材料技術を強化している点です。一方で、LG化学とデュポンは、UDCに次ぐ2位の座を争い続けています。新しい青色OLED技術が成熟し、寿命を延ばしながら明るさや効率を犠牲にしない方法を確立できれば、市場はさらに大きな変動を迎えるでしょう。言い換えれば、現在のAMOLED市場の競争が激しいと感じているなら、青色技術が完成した時にはさらに劇的な変化が訪れる可能性があります。新たな勝者や敗者が、一夜にして現れるかもしれません。