4月22日 Wit Display
アバコ(Avaco)は、京東方(BOE)に対してOLED用の真空搬送装置(OLEDインライン真空トランスファーシステム)の納入を、4月から正式に開始することが明らかになりました。この情報は4月22日、韓国メディアの報道に基づいて伝えられたものです。
アバコは17日に、「現在関連製品は生産中で、今月中に初回分を納品する予定です」と発表し、さらに「今回の契約は昨年受注した注文量の半分にあたり、残りの分は今年下半期、11月ごろの納品を見込んでいます。今年の売上の大部分はOLED装置が貢献する見通しです」と述べました。
同社は昨年、BOEとOLED用の真空蒸着装置の供給契約を締結しており、その契約期間は来年1月31日までとされています。ただし、顧客との秘密保持契約(NDA)に基づき、契約金額は公表されていません。
BOEは今回の装置を、自社の8.6世代OLED量産ラインに導入する計画です。この8.6世代ラインは、従来の6世代ラインと比べて生産効率がおよそ2.25倍向上する見込みで、BOEはこのラインの構築に630億元(中国人民元)を投資しています。
同時にアバコは、近年AI(人工知能)の需要拡大に伴って急成長している半導体用ガラス基板市場への本格的な参入も進めています。現在、ガラス貫通電極(TGV:Through Glass Via)装置の開発を加速しており、これにより半導体分野でも存在感を高めようとしています。
アバコの関係者は、「TGV装置に関する問い合わせが現在多く、継続的にサンプルテストを行っています」と述べました。TGV装置はガラス基板に微細な電極チャネルを加工し、電気的接続を実現する高精度な専用装置であり、優れた熱安定性と薄膜構造の実現を可能にするため、次世代の半導体製造プロセスにおいて熱とスペースの効率性を支える技術として注目されています。
さらに、アバコは以前までディスプレイ装置の販売比率が高かったものの、新型コロナウイルスの流行をきっかけに事業の多角化を積極的に進めました。2020年には二次電池製造装置事業部を新設し、この分野への本格参入を果たし、現在では同部門が主力事業の一つに成長しています。
金融情報会社FN Guideによると、アバコの今年の売上高は3,610億ウォン、営業利益は334億ウォンと予測されており、それぞれ前年比で19%と13%の増加が見込まれています。