韓国のTop Run Total SolutionがAP Solutionを買収


2024.11.18 The Elec

 

Top Run Total Solution(トップラン・トータルソリューション)は18日、ディスプレイ検査および補償装置メーカーであるAP Solution(APソリューション)の株式55%を180億ウォンで買収すると発表しました。同社は、買収金額のうち30%を契約金として今月25日に支払い、残りの70%は来年1月10日に支払う予定です。

 

現在、トップラン・トータルソリューションの主力製品は車載用液晶ディスプレイ(LCD)のバックライトユニット(BLU)です。同社はこれまで、有機EL(OLED)分野への比重を拡大する方針を示してきました。

 

買収の背景と狙い

トップラン・トータルソリューションは、APソリューションの株式買収の背景について、「OLEDディスプレイの『光学補償装置(OC:Optical Compensation)』の事業化を加速させ、OLED検査装置製造業への進出を図り、既存のOLED部品事業とのシナジー効果を拡大する」と説明しました。

 

光学補償装置は、ディスプレイの輝度や色を均一に補正し、生産歩留まりを向上させる装置です。APソリューションの本社は慶尚北道金泉市に所在し、昨年の実績は売上165億ウォン、純利益15億ウォンでした。

 

トップラン・トータルソリューションは、「APソリューションの買収により、LGディスプレイの量産ライン協力会社リストに登録される可能性が高まった」と述べ、「本格的な量産が始まれば、年間1000億ウォン以上の売上増加を期待している」と発表しました。

 

新規事業への取り組み

パク代表は先月中旬のKOSDAQ上場記者懇談会で、LGディスプレイとの車載用量子ドット(QD)ディスプレイ開発過程で新規素材事業への参入を決定したと述べています。このディスプレイは青色ミニLEDを光源とするLCDパネルで、トップラン・トータルソリューションは封止したQDと射出成形拡散板を開発中です。

 

当時、パク代表は「長期的にディスプレイ市場でOLEDの浸透率が増加する」とし、「OLEDの適用拡大を見据え、素材市場への進出準備を進めている」と発言しました。現在の主力製品であるBLUはLCD製品に使用されているため、LCDがOLEDに置き換わるにつれて市場規模が縮小する可能性があります。加えて、営業利益率も部品に比べてOLED有機層などの素材の方が高いとしています。

 

今後の展望

パク代表は「OLED有機層では電荷生成層(CGL:Charge Generation Layer)を優先的に検討している」と述べ、「QDやOLEDの基幹技術を保有する企業への株式投資も検討中」と明かしました。また、「モバイル、タブレット、車載OLEDの駆動技術を確保したディスプレイ検査装置を開発しており、光学補償装置や画像検査機でLGディスプレイなどと協力している」と説明しました。この分野の既存プレイヤーには、東亜エルテックやパワーロジクスなどが含まれています。