韓国のカバーガラスメーカーJNTC、今年の実績回復の鍵はHuawei


2023.04.06 The Elec

 

曲面(3D)カバーガラスメーカーのJNTCが復活の兆しがある。昨年まで2年連続の営業損失を記録したが、今年は黒字転換を期待している。鍵はこの会社のカバーガラス売上の半分を占めるファーウェイのスマートフォン事業の回復である。JNTCが昨年からサムスン電子にスマートフォン用カバーガラス納品を再開したのも好材料だ。

 

6日、証券価格をはじめとする業界によると、今年のJNTCの実績見通しは売上3100億ウォン、営業利益450億ウォンだ。昨年と比べると売上は2倍近く増え、営業損益は黒字転換が期待されている。

 

今年、JNTCが最も大きく期待する部分は、中国のファーウェイのフラッグシップスマートフォン発売再開だ。ファーウェイは2020年、米国政府制裁でスマートフォン事業が縮小し、スマートフォン出荷量が5位圏外に低下したが、昨年再びフラッグシップスマートフォンを発売し始めた。去る3月にはP60シリーズを発売した。 

 

Huaweiのフラッグシップスマートフォンの発売はJNTCの売上と直結する。フラッグシップスマートフォンはディスプレイの枠を曲面で処理してグリップ感を強化するが、この場合はJNTCの曲面カバーガラス加工技術が必要だ。JNTCの強化ガラスは中国パネルメーカーのBOEとビジョンオックスなどを通じてファーウェイスマートフォンに適用される。

 

JNTCの売上高で曲面カバーガラスの割合は60~80%、このうちファーウェイの割合は40~50%だ。全体の売上の30~40%がファーウェイから出ている。ファーウェイのスマートフォン事業が縮小し、JNTCの売上も2019年3862億ウォンから2020年3478億ウォン、2021年2026億ウォン、2022年1613億ウォンと持続下落した。営業損益も2020年までは黒字だったが、2021年には307億ウォンの営業損失、2022年には443億ウォンの営業損失を記録した。

 

ファーウェイのフラッグシップスマートフォン出荷量が増えればJNTCも実績回復が期待できる。また売上比重でまだ一桁に過ぎないが、サムスン電子にスマートフォンのカバーガラスを再納品し始めた点もJNTCに好在だ。JNTCは過去、サムスン電子ギャラクシーS6エッジなどに曲面カバーガラスを納品したこともあったが、JNTCがBOEと中国に合弁法人を設立するなど、ファーウェイ事業の割合を増やしたので、サムスン電子スマートフォン用カバーガラスの納品が途絶えた。

 

JNTCがサムスン電子にスマートフォン用カバーガラス納品を再開したのは、2021年に会社代表に就任したチャン・ヨンソン代表の役割が大きかったという。サムスン電子無線事業部出身のチャン・ヨンソン代表陣頭指揮でJNTCは昨年下半期ギャラクシーS22シリーズ用カバーガラスを供給し、今年発売されたギャラクシーS23シリーズでは製品開発初期から納入したと伝えられた。

 

JNTCはサムスン電子にスマートフォン用カバーガラスを納品できなかった期間にもスマートウォッチ用カバーガラスは持続的に納品したことが分かった。JNTCはサムスン電子スマートウォッチに続き、スマートフォンカバーガラス供給再開で長期的に数量拡大が期待できる見通しだ。

 

JNTCは車両用ディスプレイにも期待をかけている。JNTCは2月、車両用ディスプレイカバーガラス受注残高を2028年までに7000億ウォン以上確保したと明らかにした。車両用カバーガラス事業の売上は2021年27億ウォンから2022年196億ウォンに増えた。今年は550億ウォンを期待している。車両用カバーガラスは、運転席から助手席まで人体工学設計を適用したディスプレイ強化ガラスをいう。