韓国のDong A Eltekが、VisionoxにOLED検査装置の納入を拡大


2020.10.27 THEELEC

 

ディスプレイ検査装置メーカーDong A Eltekは、中国のパネルメーカーのVisionox向けに、有機EL(OLED)の後工程装置の売上高の拡大を狙う。

 

27日、業界によると、Dong A Eltekは、先月にVisionoxと207億ウォン規模のOLED後工程検査装置「デムラ(de-mura)システム」の供給契約を締結したのに続き、追加受注を進めている。Visionoxが、現在納入している第6世代OLEDラインの6ラインにDong A Eltekはデムラシステムを供給したことが分かった。

 

デムラシステムはOLEDパネルで汚染などの表示が均一でない部分である「ムラ(mura)」をなくす装置である。OLED画面の均一性を検査し、均一性を補正する画質補正システムである。 

 

OLEDは、前工程で薄膜トランジスタ(TFT)バックプレーンを形成し、基板に有機層積層し、さらに封止(水分・酸素の有機物保護)工程まで行う。高価な蒸着装置などを使用するが、同じ厚さで、すべて同じ特性を有するように、複数の材料を成膜することは容易ではない。1マイクロメートル(㎛)未満の個々の膜質特性を全工程で得ることは難しい。

 

このため、後工程の段階では検査装置で有機物などの機能層が適切に積層されて、光を均一に出すのかを確認して補正する。デムラシステムのコアは、光学特性検査だ。駆動段階で明るさやコントラストを計測する。このシステムを通せば画素単位で不均一性を補正して、製品の完成度を高めることができる。

 

Dong A Eltekのデムラシステムの売上がスタートしたのは2年余りである。まだ全社での売上に占める割合は多くない。しかし、最近、中国パネルメーカーが第6世代の中小型OLED投資を増やしているので、Dong A Eltekは、Visionoxをはじめとするこれらの企業を相手に2021〜2022年ディムラシステム納品を増やすことが目標である。

 

Dong A Eltekは、国内LGディスプレーはもちろんセットメーカーであるHuaweiと台湾のフォックスコンにへもOLED検査装置を納品した。同社の関係者は、「パネルメーカーは出荷段階、セットメーカーは受け入れ段階で検査機器を使用している」と述べた。

 

Dong A Eltekは売上拡大を図っている中国企業の取引条件が韓国内メーカーより悪い点はビジネス上の障害物になる。中国企業との取引を行う韓国装置メーカーはしばしば経験することである。

 

Dong A Eltekは、子会社のSunic Systemとコンソーシアムを形成し、電力ソリューションプロバイダのWoojin M&E. Woojinの買収に取り組んだ。Sunic SystemはOLED前工程用の有機物蒸着装置を生産する。

 

Dong A Eltekの上半期の実績はSunic Systemなどを含めて連結基準で売上高531億ウォン、営業利益45億ウォンである。前年同半期より売上高は54.7%、営業利益は58.6%減少した。