2016.08.09　etnews

第6世代基板サイズ向けの有機EL（OLED）蒸着装置を韓国内で国産化したSUNICシステムが本格的に成長軌道を描いている。今年上半期だけで昨年の年間実績を上回る607億ウォンの売上を収めたことが分かった。参入障壁が高いOLED蒸着装置の市場での`1000億クラブ`に登録する国内企業の誕生が秒読みに入った。 

9日、業界によると、SUNICシステムは、中小型OLEDパネルを量産する第6世代OLED装置を、今年は大量に供給し始め上半期の売上高607億ウォンを達成したことが確認された。第1四半期の160億ウォンから第2四半期447億ウォンに売上が急増しており、昨年の年間実績（288億ウォン）も突破した。 

SUNICシステムは、1990年に設立され、約20年以上に渡りOLED蒸着・封止装置の研究開発を行った専門企業である。国内外のパネルメーカーに、第2世代、第4世代、第5世代などの基板サイズ用、さまざまな仕様のOLED蒸着装置を供給したが、これまでの研究開発用途がほとんどであった。また、OLED照明用ライン、中国第2世代OLEDパネルのラインには、いくつかの量産装置を供給した。


SUNICシステムの第5世代（1,300mmx1,100mm）基板向けOLED蒸着装置。ディスプレイと照明用OLEDパネルの量産に使用することができる。（写真=SUNICシステム）

SUNICシステムが今年に好況を迎えたのは、韓国内の有機ELディスプレイ業界のOLED設備の増設投資が影響を及ぼした。スマートフォン市場でOLEDを採用する速度が速くなり蒸着装置の需要が大幅に増えた。SUNICシステムは、長年の技術開発と実際の量産ラインでの経験をもとに、第6世代の装置供給に成功し成果を収めた。 

現在のOLED蒸着装置の市場は、日本のキヤノントッキが独占している。ディスプレイ企業は、このキヤノントッキの機器を購入するために、待つ必要がある。 SUNICシステムは、実際の量産ラインで実績が構築できたので、今後の装置のサプライチェーンに参入できた。 業界関係者は「キヤノントッキがOLED蒸着装置では1位なので、検証された装置を使用して、安定的に生産したいパネルメーカーの立場では、量産使用事例がない新しい装置を導入するのが消極的にならざるを得ない」とし「SUNICシステムの装置を使用して、安定的に量産できた場合、サプライチェーン市場に変化が生じるだろう」と予想した。 

SUNICシステムは、目に見える成果を収めているが、かなり慎重な立場を堅持している。装置の供給にとどまらず、成功するには、パネルの量産につながらなければならない。 SUNICシステムの親会社である東亜エルテックの会長は「円滑な供給のために人材を補充し、装置の生産能力を拡大するための準備中」とし「SUNICシステムは、単一の蒸着装置だけでなく、OLED量産工程全般にわたる技術の経験が豊富な強みがあるので、特定の海外企業を中心に形成されたOLED蒸着装置の市場でのシェアを高めていくだろう」と期待を述べた。 

OLED投資が本格化している状況でSUNICシステムの年間売上高は1,000億ウォンを超えると予想されている。 SUNICシステムは、本格的な成長基盤を獲得したと判断し、来年に株式公開（IPO）を行う計画である。上場主幹事選定も終えた。