2016年 10月 24日 UBIリサーチ
最近の世界の自動車用ディスプレイ市場は、毎年に約10%台の安定的な成長を続けており、このためにLGディスプレイとサムスンディスプレイが新しいアプリケーションとして注目し開発投資を行っている。これに対して、ヤン・ソンジンLG経済研究院の責任研究員は、企業の自動車用ディスプレイへの進出理由は、新たな収益創出効果が期待されるためだと指摘した。
ヤン・ソンジン責任研究員は、「自動車用ディスプレイ市場は、ディスプレイ全体市場の10%の規模で、自動車全体のコストの2%水準であるが、スマート・カー(smart-car)とコネクティッド・カー(connected-car)の開発など、自動車産業は着実に発展している。これに対し、ディスプレイ市場はますます縮小しているし、パネル価格もだんだん下落しているため、生き残りに直結する問題となっているのが実情である。」と言った。これに対する対策の一つとして、自動車用ディスプレイ市場を言及したのは、「参加企業が少なく徹底的にカスタマイズすることが必要な自動車用ディスプレイパネルの平均価格が、モバイルフォーンやタブレットPC に比べて2〜3倍高いためである。」と、その理由を明らかにした。
自動車用ディスプレイ市場は、台湾の2015年売上高の基準でInnoluxとAUO、CPT、日本のJapan display、Sharpが市場全体の約70%を掌握しており、国内では唯一のLGディスプレイが10%のシェアを記録したが、後発の参入のサムスンディスプレイは上位順位に入れなかった。さらに、LGディスプレイは、自動車用ディスプレイを育成事業の一つとして指定しフレキシブルPOLEDを持って市場に進入するという計画を明らかにしたし、サムスンディスプレイも中小型OLEDの技術力を基に、自動車用ディスプレイの差別化戦略を展開する方針を立てたので、シェアも上昇する見込みである。
現在、沈滞しつつあるディスプレイ市場で高収益を得るためには、結局は自動車用ディスプレイ市場にも注力しなければならないと思われる。OLEDパネルが自動車用ディスプレイの厳しい要求条件を満たすことができたら、モバイルとタブレットPC市場を越えて新たな収益源をつくる機会になるものと予想される。