2023年3月1日
スマートフォンや大型テレビで利用されている有機LED(OLED)では、有機材料の電界発光(EL)※2の特性が利用されています。発光に至る過程を精査することは、発光効率の向上に必要不可欠ですが、これまで、その過程を直接明らかにする実験手法はありませんでした。
大阪公立大学 大学院理学研究科・南部陽一郎物理学研究所の鐘本 勝一教授、保地 滉介氏(研究当時、大阪市立大学大学院理学研究科 前期博士課程大学院生)、日本化学工業株式会社(東京都江東区亀戸9-11-1)らの研究グループは、ポスト有機LEDの一つとして注目されているLECが電界発光時に時間とともに電子状態を変化させる様子を、ランプ光照射を介してその光吸収を計測することにより、直接観測することに初めて成功しました。
本研究成果は、LECに限らず一般の有機LEDも含めた発光素子全般に適用が可能です。本手法を活用することで詳細なEL過程が明らかとなり、発光効率を低下させる要因の早期発見につながると期待されます。