2016.07.14 etnews
次世代ディスプレイとして浮上した有機EL(OLED)素子・素材の性能を大幅に向上させることができる韓国の国家レベルの研究開発が盛んである。素材や部品の性能を向上させるために、プラスチック基板を繊維材料に置き換える研究まで進んでいる。
13日から15日まで、江原道の普光フェニックスパークで開かれた、第11回国家研究開発事業総括ワークショップで、現在に進行中のディスプレイ国策課題の現状を聞いた。素材・素子、製造装置、タッチパネルなど計84分野の課題の発表があった。先行開発に重要な技術を明確にし、国家レベルでのディスプレイ技術力を高めるための一環の活動である。
フレキシブルOLED用基板を繊維に置き換えて柔軟性を高める技術が2012年から2017年までに開発されている。繊維基板を使用するウェアラブル用パネルと関連の3次元有機発光素子を開発するのが最終的な目標だ。現在は、様々な電気的圧迫に耐える燐光OLED素子を開発し、効率を高めた多層薄膜の品質も目標値を実現した。目標値レベルの高効率溶液プロセスのためのポリマー有機発光素子(PLED)も完成するなど、既存のガラス基板と同様の性能を実現した。
OLEDの現在の問題点を解決するための素材・素子の研究も活発である。 量子ドット(量子ドット)とOLEDを結合した非カドミウム系ハイブリッドQLED素子は、溶液プロセスをベースに、金属酸化物薄膜工程と、発光素子の構造を開発し、これを高度化するプロセスを開発した。適用可能な共通の層候補群を適用して素子を作製する工程を具体化して工程や素材を最適化するなど、順次研究中である。素子構造の改善、量子ドットの特性分析など、かなり初期の段階であるQLED素子の技術成熟度を高めるために開発資源を集中する。
高効率遅延蛍光OLEDを開発するためのプロジェクトも、2014年から2019年まで推進している。遅延蛍光OLEDは、OLED材料の青色蛍光体の性能改善の限界を突破することができる新しい物質として最近市場で話題になった。 国策課題では、赤と青の遅延蛍光材料、青色の遅延蛍光ホスト材料をはじめ、素材・素子・分析技術などの各ユニットの技術を開発し、全体のプロセスに適合するように進行している。国際的にOLED研究分野で活動する大学の専門家と国内中小・中堅企業が共同で研究中である。2年目に国内特許6件を出願する成果を上げた。
OLED用有機素材を大量に精製することができる技術の開発も進めている。精製収率が90%以上であり、日に1回精製の際に、2〜3㎏が限界である精製量を5㎏で大量精製することができる技術と設備を完成するのが目標だ。自動化と大量生産には限界があり、時間に応じて精製量が変わる不純物除去工程などを計3年に渡って、新たに開発する。