2016.11.02 ET News
2017年に最も注目される素材は、フレキシブル有機EL(OLED)パネル基板である。この基板は、プラスチックの一種であるポリイミド(PI)である。ガラス上に溶液状態であるPIワニスをコーティングした後、熱硬化させて、10〜15㎛厚のPI基板を得る。PI基板上にOLED素子を形成し、レーザーリフトオフ(LLO)でガラスと分離する。OLEDパネルは、基板の厚さが薄く曲げる(フレキシブル)ことができる。
この基板のトレンドに変化がない場合は、フレキシブルOLED生産量とPIワニス需要は比例する。サムスンディスプレイは、PIワニスを日本の宇部興産から供給を受けている。サムスンディスプレイは宇部興産と折半で、2011年に合弁の新会社設立した。この企業の昨年の売上高は146億ウォン、営業利益は38億ウォンを記録した。この売上高と営業利益はそれぞれ前年比70%、217%増加した。
サムスンディスプレイの今年のフレキシブルOLEDへの施設投資額は10兆9000億ウォンである。サムスンディスプレイが来年下半期に発売予定の新型iPhoneのOLEDパネルを供給することは、ディスプレイ業界の常識である。アップルの2016年(会計基準)iPhoneの販売台数は2億1000万台だ。
ディスプレイ業界の関係者は、「サムスンディスプレイが2017〜2018年から急増するフレキシブルOLED生産量に応じて、PIワニス供給先を多様化するだろう」と予想した。
サムスンSDIはサムスン総合技術院、SMSと共同で着色PIワニスを開発している。サムスンSDIの関係者は、「開発最終段階」とし「中華圏ディスプレイメーカーを優先的に来年の事業化を推進する計画だ」と語った。フレキシブルOLED基板は、黄色の色の着色PIを使用する。基板反対方向に光を発散するトップエミッション方式なので、基板の透明度に影響を受けない。
次世代技術である透明ディスプレイは、耐熱性がある透明PI基板が先決の課題だ。透明PIワニスは、コーロン中央院が京仁洋行と開発している。
LGディスプレーは日本のカネカから有色PIワニスを購入している。東進セミケム、SKCコーロンPIなどの素材メーカーがPIワニスを開発している。
コーロンインダストリーは、カバーウィンドウ向け透明PIフィルムの量産に882億ウォンを投資する。2018年第1四半期には慶北亀尾工場に生産ラインを構築することにした。透明PIフィルムの用途は、フレキシブルOLEDカバーウィンドウだ。
現在のスマートフォンのカバーウィンドウ素材はほとんど強化ガラスだ。三星ギャラクシーエッジシリーズのような曲面ディスプレイは、3D強化ガラスカバーにフレキシブルOLEDパネルを付けて作る。フレキシブルOLEDパネルがガラスカバーに接着され固定される。
カバーウィンドウに透明PIフィルムを適用すると、フレキシブルOLEDパネル性質が維持される。折ったり折り曲げられるフレキシブルディスプレイが作られる。次世代スマートフォンのフォルダブルスマートフォンに活用される。SKCは、来年にSKCコーロンPI工場で透明PIフィルムを量産する計画である。
このようにプラスチックとガラスがOLEDパネル市場で争う状況である。まだ大勢はガラスである。フレキシブルOLEDパネルの最終的な基板材料は、PIであるが、PI基板は使い捨てのキャリアガラスの上に作る。このためにガラス基板の使用量は減らないだろう。また、カバー素材に透明PIフィルムを使うフォルダブルスマートフォン商用化は短期間では難しいと予想される。
LGディスプレーがTV用に作成する大型の有機EL(WOLED)パネル(リジッド)は、従来の液晶表示装置(LCD)工程よりガラスを1枚少なくできる。LCDパネルは、カラーフィルター(CF)ガラスと薄膜トランジスター(TFT)ガラスの間に液晶を注入した後、ガラスを合わせて作る。WOLEDパネルはガラス基板上にOLED素子を蒸着した後封止工程で仕上げている。
イノックス(Innox)はLG化学とLGディスプレーに、封止用バリアフィルムを供給する。このバリアフィルム部門の今年の予想売上高は200億〜300億ウォンである。昨年の売上高は約20億ウォンである。