2023.10.28 CINNOリサーチ

2023年10月27日、天馬微電子有限公司は2023年の第3四半期の業績報告を発表し、期間中に売上高は247億元に達し、前年同期比で2.01％増加しました。一方、上場企業の株主に帰属する純利益は17.9億元の損失となり、黒字から赤字に転落しました。

天馬は、中小型ディスプレイ製品の価格が段階的に下落し、企稳（底堅さを示す）および下落が緩和されつつある傾向がある中、一部の製品価格は現在上昇しており、第3四半期の売上高は着実に増加し、利益総額は改善しています。AMOLED搭載のスマートフォンや車載ディスプレイなどの主要ビジネスは堅調に成長し、LTPSビジネスの収益力は徐々に回復しており、ITなどの主要な新規市場の開拓も順調で、専門ディスプレイ市場からの利益が持続的に寄与しています。

スマートフォンビジネスでは、会社が運営する2つのフレキシブルAMOLED生産ラインで、スマートフォンディスプレイの出荷台数は第3四半期までに前年比で300％以上増加し、国内で2番目のシェアを維持すると予想されています。下流製品価格の安定化と回復に伴い、製品のマージンが改善する見込みです。また、LTPSスマートフォンディスプレイ製品の価格修復を促進するために、より積極的な戦略を採用しています。同時に、LTPSスマートフォンディスプレイ製品の優位性を維持しながら、LTPSビジネスを多様化し、第3四半期にはIT製品の出荷が前年比で180％増加し、LTPS車載製品の出荷は前年比で40％近く増加しました。LTPS製造ラインは柔軟であり、運用能力が向上しています。外部環境は引き続き複雑で変動的であり、業界全体の価格は低水準にあり、さらなる合理的な回復が必要です。

カーエレクトロニクスビジネスでは、今年の上半期において、会社は自動車向けのプレインストール市場およびカーエレクトロニクスディスプレイ市場で世界一位のシェアを維持しました（Omdiaによる情報）。今年の第三四半期まで、カーエレクトロニクスビジネスの収益は前年比で10％増加し、LTPS技術の浸透が加速し、LTPSカーエレクトロニクス製品の出荷台数は前年比で40％近く増加しました。自動車メーカーへの自動車用電子製品の供給が始まり、国際的な大手顧客に対して製品を提供しています。獲得した新しいプロジェクトの合計金額は高水準を維持し、そのうちLTPSプロジェクトは約70％を占めており、OLED、Local Dimmingなどの技術、カーエレクトロニクス、新エネルギーなどのビジネス分野、および全方向のHUDなどの先進製品をカバーしています。会社のカーエレクトロニクスビジネスは、今年初めからの市場の変動にしっかり対応しており、業界のリーダーシップ、受注能力、およびカーエレクトロニクスディスプレイの長期的な成長潜在力に自信を持っています。