2016年9月12日 UBIリサーチ 溶液工程やSMS(Small mask scanning)方式でのみ製造されていた、RGB方式の大面積OLEDパネル用画素製造技術が、FMMでも可能になると期待される。 DAWONSIS は、大面積ディスプレイパネルの量産に適用が容易で、材料の使用効率を従来より2倍以上に向上させたジュール加熱蒸着工程方式のトップダウン蒸着技術を開発した。 ジュール加熱蒸着とは、導電性薄膜に電圧を加えるとその抵抗により、短い時間で少ないエネルギーで表面温度が急速に高まり、導電性薄膜の上に形成された有機EL材料膜が少ないエネルギーで迅速に蒸発させることができる技術である。 DAWONSIS で開発された蒸着技術コンセプトは、以下の通りである。ソース基板上に有機EL薄膜を形成し、ジュール加熱を使用して、ソース基板表面の有機ELをすべて一度に下部に位置するパネルに蒸着させる方式である。 DAWONSIS の関係者によると、「既存の蒸着工程で使用されるポイントソースやラインソースに比べて、ジュール加熱蒸着工程は、面ソースを利用するため、蒸着速度が約100 A / s以上ととても速い。また、材料の使用効率が70~80%で、既存蒸着工程に比べ2倍以上に向上し、トップダウン蒸着で大面積のFMM方式が適用可能で、検証実験の結果shadow effect dimensionが4μmとして、高解像度の実装が可能である。したがってJIES蒸着装置は、大面積OLEDの新しい技術になることができるだろう」と明らかにした。 既存の大面積OLED TVはFMMのたわみ現象によりRGB方式での製造に困難を経験していた。したがって、現在量産されているOLED TV用パネルはopen maskを適用した白色OLED + カラーフィルター方式を適用している。 また、大面積OLED TVをRGB方式で製造するためには、溶液プロセスも積極的に開発されているが、溶液発光材料の効率と寿命の問題でまだ量産に適用されていない状況である。 しかし、DAWONSIS で開発された蒸着技術を適用すると、FMMを適用した、真のRGB構造のOLED TV用パネル製造が可能になり、現在使用されている蒸着材料をそのまま適用できるので、効率と寿命も確保することができる。 今回のDAWONSIS の新しい蒸着技術が今後の大面積OLEDパネル製造技術にどのような影響を与えるか期待される。