2017.05.23 ET News
今後の10年の間に第6世代規模の有機EL(OLED)の生産ラインが110ライン必要である見通しが提起された。スマートフォンのディスプレイがOLEDに短期間で切り替わるからである。OLED生産ラインの構築に10兆円を超える投資が投入される見通しだ。最近はLGディスプレイ、BOEなどがサムスンディスプレイが独占してきたOLED市場に参入し、「OLEDへの黄金投資ラッシュ」がスタートした。 市場調査会社のディスプレイのサプライチェーンコンサルタント(DSCC)のロスヤング最高経営責任者(CEO)は22日(現地時間)、米国ロサンゼルスコンベンションセンターで開幕した国際情報ディスプレイ学会(SID)2017ディスプレイウィークビジネスカンファレンスで「OLED投資の時代が開かれた」と展望した。 ヤングCEOは、スマートフォンのディスプレイの世代交代が急進展し、OLEDの需要が急増すると予想した。彼は「2021年までにOLEDが、スマートフォン市場の60%を占めており、2026年に全スマートフォン市場を獲得することだろう」とし「2026年までに相当な大規模なOLED投資が発生するだろう」と予想した。 彼はOLEDが全スマートフォン市場を占める2026年までに、6世代のOLEDラインが110.5ラインは必要であると分析した。1つのラインで1万5,000枚のパネルを生産すると推定すると、今年は32ラインが必要である。2021年までに66.5のライン、2026年までに110.5のラインが必要である。 ヤングCEOは「2022年から2026年までの総額で630億ドル(約7兆円)が必要である」とし「このうち約9%がフォルダブルパネルになると見られる中、フォルダブルの浸透率が高くなるほど、より多くの設備投資金額が要求される」と語った。
<表、スマートフォンのディスプレイの需要とOLED供給見通し(資料= DSCC)> 大規模な投資が必要な理由は、フレキシブルOLED工程が他の工程よりも複雑で技術難度が高いからである。6世代フレキシブルOLED装置投資額は同じ規格のリジッドOLEDはもちろん10.5世代LCDより投資額が大きい。 DSCC分析によると、月6万枚の生産能力に基づいて6世代フレキシブルOLED装置投資額は57億~59億ドル、10.5世代アモルファスシリコン(a-Si)LCDは37億~38億ドル、10.5世代オキサイドLCDは47億~48億ドルがそれぞれかかる。 DSCCは2019年までにOLEDスマートフォン市場が9億台規模を形成し、このうちフレキシブルOLEDを搭載したスマートフォンが4億8,000万台以上占めていると予想した。2020年にはリジッドを含む全体のスマートフォンのOLEDパネルの割合が56%で、LCDスマートフォン(46%)を超える予想した。 DSCCは、面積占有率に基づいて、フレキシブルOLEDが2019年低温ポリシリコン(LTPS)LCDを超えると予測した。 ディスプレイ業界OLED投資競争が加熱され、現在、サムスンが独走している状況の変化も予想される。世界の中小型OLED市場を掌握したサムスンディスプレイシェア(面積基準)は、現在の98%から2021年に40%水準に落ちると予想した。LGディスプレイとBOEが今年から第6世代フレキシブルOLED量産を開始すると、徐々にシェアを高めて2021年20%に近接するレベルにシェアを拡大すると予想した。