今年から、ミニLEDテレビの出荷台数が有機ELテレビを上回っていく予測


2024-03-28 Wit Display

 

今年から、ミニLED TVの出荷量が、史上初めてOLED TVを上回るという展望が示されました。ミニLED TV市場では、Samsung Electronicsと中国のTCL、ハイセンスなどが、OLED TV市場では、LG ElectronicsとSamsung Electronics、そして日本のソニーがリードしています。OLED TVのラインナップを持たないTCLはミニLED TVに積極的であり、Samsung Electronicsは両方のセグメントで主要なプレーヤーであるため、テレビの出荷量はこのような展望の変数になると予想されています。Samsung Electronicsは、昨年OLED TVの出荷量で世界第2位、ミニLED TVの出荷量で世界第1位でした。

 

中国の市場調査会社Runtoのメリッサ・ワンは、29日にソウルで開かれた市場調査会社UBIリサーチのカンファレンスで、「今年のミニ発光ダイオード(LED) TVの出荷量は680万台、有機EL(OLED) TVの出荷量は640万台と予想される」と述べました。ミニLED TVとOLED TVはプレミアムTV市場で競合しており、昨年までOLED TVの出荷量がミニLED TVを上回っていました。

 

メリッサ・ワンは、「昨年のOLED TVの出荷量は前年比20.6%減の548万台で、同じ期間のミニLED TVの出荷量は24.7%増の425万台を記録した」と述べました。

 

ミニLED TVの出荷量は上昇傾向にあります。年ごとのミニLED TVの出荷量は、2021年が230万台、2022年が340万台、2023年が425万台であり、今年からは2024年が680万台、2025年が1020万台、2026年が1640万台、2027年が2160万台、2028年が2550万台など、メリッサ・ワンは予測しています。

 

昨年に減少していたOLED TVの出荷量も再び上昇する見込みですが、期待される成長率は比較的低いです。年ごとのOLED TVの出荷量と予測は、2021年が650万台、2022年が690万台、2023年が548万台、2024年が640万台、2025年が710万台、2026年が760万台、2027年が810万台、2028年が850万台などです。

 

この予測通りであれば、ミニLED TVの出荷量は今年からOLED TVを上回り、ミニLED TVとOLED TVの出荷量の差は2026年に倍増し、2028年には3倍になるとされます。Runtoの2028年のOLED TVの出荷量予測は850万台であり、現在のLG Display(年間1000万台以上)とSamsung Display(年間200万台以上)の大型OLED生産能力を考慮すると、合計稼働率が70%にとどまる水準です。

 

今回のRuntoの予測の実現は、Samsung ElectronicsのプレミアムTVの出荷量が変数になると予想されます。Samsung Electronicsは昨年、OLED TVの出荷量でLG Electronicsに次ぐ2位でした。また、昨年の世界のミニLED TVの出荷量では、Samsung Electronicsのシェアが47%で最も高かったです。2位はTCL(22%)、3位はHisense(12%)でした。

 

一方、昨年の世界のTVの出荷量は前年比1.6%減の2億1000万台で集計されました。今年の世界のTVの出荷量予測は前年比2.4%増の2億6000万台です。年ごとの世界のTVの出荷量予測は、2024年が2億6000万台、2025年が2億8000万台、2026年が2億1700万台、2027年が2億2200万台、2028年が2億2500万台などです。TV業界では、『世界のTVの出荷量が2億2000万台』は2年後になってから回復すると期待されています。