中国パネルメーカー、今年はディスプレイ事業の赤字幅が増える


2022年6月13日 UBIリサーチ

 

VisionoxやBOEなど中国のパネル企業が赤字を免れない見通しだ。

 

Visionoxの工場稼働率は高い。中国のスマートフォンメーカーのHonorの生産量の70~80%を、Visionoxで主として生産しているからだ。

 

しかし、高い稼働率に比べてVisionoxの事業現況はそれほど良くない。VisionoxはHonorに協調的な姿勢でパネルを生産しているので、Honorの数量の大部分を割り当てられたが、Honorからはパネル価格の引き下げを要求された。情報によると、引き下げられたパネル価格が原因で、Visionoxは毎月に2億元に達する赤字を免れないようだ。

 

BOEの状況も良くない。Honorへの納入数量をほとんど割り当てられていないようである。さらに、Apple向けiPhone13のパネルの納入の数量をほとんど取り消され、危機に直面している。去る4月、BOEのGao Wenbao CEOはOLEDとLCDの数量と価格の圧迫で大きな危機に直面し、コスト削減に関する指示を出した。現在、BOEのOLEDライン稼働率は40%未満の状況であり、OLED事業部は今年に約100億元の赤字が発生する可能性があると推定される。

 

中国パネルメーカーの主な事業の一つであるLCDの販売価格が継続的に下落しており、スマートフォンセットメーカーへのパネル需要が低下している状況で、適切な打開策が見つからなければ中国パネルメーカーの赤字幅はさらに大きくなると予想される。