中国の先行投資で韓国の有機ELディスプレイ製造産業に危機感


2018.08.28 ET News

 

韓国の主要先端産業の一つであるディスプレイは、中国政府の産業政策の直撃弾を受けている。韓国が液晶(LCD)産業は、日本を抜いて世界1位に成長したが、昨年には、中国が世界1位の生産能力になった。有機EL(OLED)は、まだ技術格差を維持しているが、中国が世界の専門家を多数迎え入れて、地方政府も莫大な補助金を投入しており、いつの日か首位の座を奪われるという懸念が大きい。 

 

中国はLCD生産能力(面積基準)で世界1位に浮上し、技術力も韓国とほとんど差がないほど優れていると評価される。技術が成熟したアモルファスシリコン(a-Si)だけでなく、難度が高い低温多結晶シリコン(LTPS)も、両国間の技術の差がほとんどなくなったという分析が主に聞かれる。

 

中国がLCDの生産能力で1位上がって、伝統的な「クリスタルサイクル」も変わった。2年ごとにパネル供給と需要の流れが変わって、パネル価格が形成されるのがクリスタルサイクルである。昨年下半期からLCD供給過剰が発生した今回のパターンは、従来の流れよりも価格の下落幅がより深く、低迷も長くなった。パネル供給が需要を超えると、製造メーカが生産量を減らすなどで自己救済策を採るが、生産比重が大きな中国で何の動きもなければ、従来のような変化が発生することは難しい。 

 

さらに、韓国のOLED技術者が多数の中国企業で雇用され、地方政府が莫大な補助金で、初期投資・生産立ち上げの難しさを克服させてくれるので、年内にフレキシブルOLED技術力も韓国を追撃できるという懸念を完全に払拭できない。フレキシブルOLEDだけでなく、マイクロLED、10.5世代OLED、フォルダブルなどの次世代技術にも積極的に投資し、「ファーストフォロワー」ではなく「ファーストムーバー」型の成長を追求していることが韓国にとって脅威となる。