2023年4月18日 プレスリリース Omdia

OmdiaのDisplay Production＆Inventory Trackerによる最新調査によると、液晶テレビ、ノートパソコン、モニターパネル、スマートフォンの液晶パネルの注文が急増したため、ディスプレイの全体的な工場の稼働率は1Q23の66％から2Q23の74％に回復しています。ただし、OLED工場は依然として能力利用率を上げるために課題を抱えており、2023年の最初の6ヶ月間には平均的なOLED工場の能力利用率が60％未満になることが予想されています。

2022年の供給過剰は、LCDおよびOLED工場の稼働率を壊滅させました。1Q23の低い稼働率の後、LCD工場は2Q23から徐々にガラス基板の入力を回復しています。特に中国のLCDメーカーは、パネル価格を維持するために規律正しい能力制御に従って、能力利用率を徐々に慎重に上げています。

2023年第2四半期には、注文の増加と駆け込み需要の急増にもかかわらず、ほとんどのLCDメーカーは稼働率80%の上限を設定しています。  

OmdiaのDisplay Research PracticeのシニアディレクターであるDavid Hsieh氏は、「OLED工場は、成熟した、スムーズに稼働するLCD工場よりも能力利用率が低い状態にあります。これらのパラメーターには、TFTアレイバックプレーンのスループット、OLED蒸着のタクトタイム、複雑な製品の変化、タッチセンサーパターニングのリードタイム、およびOLEDモジュール形状のカスタマイズが含まれます。」と述べました。

これらのパラメーターに基づき、いわゆるLCD工場の完全稼働率は100％と見なされますが、OLEDについては、設計された総能力の80％〜90％が完全稼働と見なされます。

「OLEDにとっての問題は、これらのプロセスパラメーターではなく、需要の低迷です」とHsieh氏は付け加えています。

Omdiaは、スマートフォンのOLED需要は2023年前半まで完全に回復しないと予測しており、OLED TV工場は需要の低迷に直面することになります。LGE、Sony、Panasonic、TPV、Hisense、SamsungからのOLED TVパネル注文は、Gen8.5のOLED工場が高い能力利用率を維持するために十分ではなく、中国のGen6 フレキシブルOLED工場は不安定な注文と低迷する生産性の状況に直面しています。

「LCDの回復が注目され、LCDの価格と能力利用率を同時に維持するのに役立つ一方、OLEDはさらなる高級消費電子製品の需要回復を待つ必要があります」とHsieh氏は結論付けています。