2019.12.30 ET News
マイクロLED市場に向けた台湾と中国企業の攻勢が現実化している。
30日、業界と外信によると、台湾LEDメーカーであるエピスターは、中国のリヤド光エレクトロニクス(利亞德光電)と中国にマイクロLEDディスプレイ工場を建設することにした。
エピスターは最近、台湾証券取引所に提出した資料で、「子会社のYenrich TechnologyがリヤドとミニLED・マイクロLEDディスプレイを開発、製造する合弁会社設立で合意した」とし、この内容を公開した。
マイクロLED、中国、台湾の動向
エピスターは、具体的な投資規模を明らかにしなかった。しかし、リヤドが明らかにした内容によると、合弁会社は、資本金3億元(約497億円)規模で、エピスターとでそれぞれが50%の株式を分割する計画である。
また、2023年の量産を目標に、中国に10億元(約1670億円)を投資して「最初のマイクロLEDディスプレイの生産工場」を作ると強調した。
エピスターは台湾のLED専門企業である。中国のリヤドは、LCDとLEDなどを活用して、主に商業ディスプレイを作ったメーカーだ。両社の合弁会社設立で、次世代の製品であるマイクロLEDとディスプレイのセット会社が手を組むとみられる。
マイクロLEDは、通常、100マイクロメートル(㎛)以下のサイズのLEDを意味する。照明やLCD TVのバックライトとして活用したLEDが目に見えないほどのマイクロメートル単位で小さくなって、ディスプレイの画素(ピクセル:画像を構成する最小単位)となる。
マイクロLEDは、自己発光のエネルギー効率が高く、消費電力は少ないし、太陽の下でも明るく鮮明な表示をすることができるのが長所である。マイクロLEDがLCDとOLEDの次の世代ディスプレイとして期待を集める理由だ。
マイクロLEDディスプレイの製造過程:Yole Report 2017
ただし、マイクロLEDでTV 1台を作成すると、価格が1億ウォン(1000万円)を超えるほど製造コストが高く、大量生産技術も不足しており、普及のためにはいくつかの諸条件が改善されなければならない状況だ。
しかし、LEDとディスプレイ分野の強者である中国と台湾がマイクロLED商用化に挑戦するので、注目される。LCD、OLEDで逃したディスプレイ主導権をマイクロLEDで逆転させるという意志が伺えるという評価だ。
エピスターとリヤドに先立ち、中国TVメーカーのコンカがマイクロLEDへの投資を強化すると発表した。同社は、マイクロLED技術と装置の開発などに25億5000万元(約4200億円)をかけて、マイクロLED関連製品を商用化する計画だと発表した。コンカは、中国内の上位5位TVメーカーだ。
同社は、マイクロLEDの投資理由について「マイクロLEDは、商業ディスプレイだけでなく、消費者のためのディスプレイに活用することができる技術」と「近い将来に、高品質TV消費者の重要な要素になるだろう」と伝えた。
台湾のプレイナイトライドもマイクロLED分野で重要な役割を担っている企業である。ウェハ上に成長させたマイクロLEDをディスプレイで製造しやすくインターポーザ(仮基板)にするための商用化をした。プレイナイトライドはエピスターやサムスン電子が投資をした。サムスン電子は100インチ以下の家庭用マイクロLED TVを作成するためにプレイナイトライドのインターポーザを使用することが分かった。
業界関係者は、「マイクロLED主導権を確保するために、台湾の技術と中国資本・生産が結合する面」とし「サムスンやLGがマイクロLEDディスプレイを研究開発しているが、韓国内ではLED企業がごく少数で、転写技術装置メーカも無いので、次世代ディスプレイの競争で優位を占めることができるのか心配だ」と話した。