2018年 7月 27日 UBIリサーチ
フォーダブル(折りたたみ式)有機ELパネル(Foldable OLED)の量産が今年末に開始されると期待される中で、Foldable OLEDの主要材料の一つであるカバーウィンドウの競争が激しくなる見込みだ。Foldable OLEDはディスプレイが折りたたれる特性から、従来のカバーウィンドウに使用されていたガラスは割れるため、続けて使用することができない。
従って、割れないカバーウィンドウとして透明PIと薄板ガラスの開発が、積極的に進められている。特に透明PIフィルムに関しては、住友化学と韓国のKOLON IndustriesやSKCの競争が予想される。住友化学は、サムスン電子が来年発売予定のFoldableスマートフォンに採用されるFoldable OLEDカバーウィンドウ向け透明PIフィルムを供給する最初のメーカーになるという。
しかし、透明PIフィルムのカバーウィンドウは、ガラスのカバーウィンドウの硬度と外観特性を満たせないため、改善が必要な状況にある。サムスン電子は住友化学の透明PIフィルムの他にも、多くのメーカーの透明PIフィルムを検討している。
住友化学の透明PIフィルムと激しく競い合っているメーカーは、韓国のKOLON IndustriesとSKCである。KOLON Industriesは約10余年前から透明PIフィルムを開発しており、現在唯一透明PIフィルム量産設備を備えているメーカーである。SKCもフィルムの製造技術力を基に、2017年末に透明PIフィルムの設備投資を行った。
他に、薄板ガラスをFoldable OLED用カバーウィンドウとして開発する動きも出ている。主要メーカーには旭日硝子とドイツのSCHOTTがあり、厚さ0.1mm以下の実現に向けて開発を進めている。しかし、薄板ガラスも折りたたまれた状態では、耐久性に問題があると知られている。
Foldableスマートフォンの発売時期が迫ってきている中、OLEDパネルメーカーとカバーウィンドウ材料メーカーがどのような材料と構造、特性のFoldable OLED用カバーウィンドウを採用するかに業界の関心が集まっている。