2018.06.07 ET News
有望なディスプレイ電子材料の開発会社が相次いで投資誘致に乗り出した。有機EL(OLED)と量子ドット(QD・量子ドット)の材料で頭角を示すこれらの企業にどのような企業が投資するか関心が集まっている。
7日、業界によると、最近ディスプレイ用電子材料企業のナノシス、サイノラ、kyuluxが、それぞれ新しい投資家を誘致している。これらの企業はすべて、長い期間の研究開発を行い、投資家を誘致してきた。新規投資誘致により、残り少ない新技術の商用化に加速する方針だ。
サイノラ、kyuluxは、最近に追加投資を誘致している。両社とも青色OLEDリン光材料を代替する新たな材料として挙げられる熱活性化遅延蛍光(TADF)物質を開発している。以前の投資で、サムスンディスプレイとLGディスプレイの両方の投資に参加して関心が高まった。
ドイツのサイノラは、最近は5000万ユーロ(約63億円)を目指し、シリーズCの投資を誘致活動を行っている。昨年のシリーズB投資で、LGディスプレーが1500万ユーロ、サムスンベンチャー投資が1000万ユーロをそれぞれ投資した。
サイノラは今年の年末までに青色TADFを商用化する計画であった。しかし、商用化時点を2020年に2年遅らせた。すでに青色TADF素材の効率を商用化可能なレベルに引き上げたが、効率と寿命などを通してパフォーマンスと信頼性をより向上させる方針だ。サイノラは2020年に青色TADFエミッタ(emitter)を商品化して2022年には緑と赤のTADFエミッタをリリースするという目標を立てた。
日本のkyuluxも追加投資を募集している。今回の投資ラウンドは約3000万ドル規模だ。同社は台湾のワイズチップセミコンダクターと協力してPMOLEDのための製品を商品化すると発表した。kyuluxには、サムスン、LGディスプレイ、ジャパンディスプレイ(JDI)、JOLEDなどが投資している。
ナノシスも追加投資を集めている。QD材料の特許を多数保有し、サムスン電子とも協力して、この分野で影響力の高い企業として挙げられる。約1500万ドル(約16億円)の投資誘致を目標とした。
最近ナノシスは、既存の量子ドットのカラーフィルタ(QDCF)とは異なるQDCC(Quantum Dot Color Conversion)技術を発表した。この技術は、液晶表示装置(LCD)だけでなく、OLEDにも適用することができる。
既存のQDCFはフィルタとして、バックライト光源をR・G・Bの波長に分ける。一方、QDCCは青色光源をフィルタリングすることなく、緑と赤に変換させる役割をする。LCDに限定されたQDの技術をOLEDに拡大して、OLEDとQDの利点を合わせて相乗効果を出すようにした。
業界では、いくつかの企業が追加投資に出るのか関心を見せている。今後の成長性と商用化の可能性を念頭に置いて投資するので、今後の投資会社と投資誘致企業間協力など、さまざまな可能性を模索することができるからである。