2016年12月 9日 UBIリサーチ
これまでは噂だけであったSonyの2017年 OLED TV市場の進出が事実と明かされた。OLED associationのベリー・ヨン(Barry Young)CEOはフォーブスにこのような事実を伝え、Sonyは2017年に55インチと65インチの2種のOLED TVを発売する予定だと明らかにした。
ベリー・ヨンCEOは2017年の2四半期からパネルの出荷が始まり3四半期や4四半期に本格的に販売される予定であり、55インチの4K OLED TVが約8万台、65インチのOLED TVが約12万台、発売開始予定だと述べた。
Sonyは以前にもLGDのOLEDパネルを適用したモニターを発売した事があり、今回のOLED TV用のパネルもLGDから供給を受ける。 注目すべきところはSony OLED TVの価格である。 ベリー・ヨンによるとSonyの55インチOLED TVの価格は約1,999ドル、65インチは約2,999ドルになる予定であり、これはLG電子で2016年の6月に販売した55インチUHD OLED TVの価格である2,297ドル(OLED55B6, Amazon), 65インチUHD OLED TVの価格である3,297ドル(OLED65B6,Amazon)よりそれぞれ300ドルずつ安く、現在はLG電子が独占している高級OLED TV市場でも価格競争の構図が形成されると予想される。
まだCES 2017でのSonyのOLED TVの公開は確実ではないが、生産が確かになればCES 2017でその製品を確認することができると期待される。SonyのOLED TV市場の進出によってLG電子も2017年 OLED TVに対して攻撃的な価格政策を繰り広げることと予想されているため、SonyのOLED TV市場の進出がOLED TVの大衆化にどのような寄与をするようになるのか、そしてディスプレイ産業にどのような影響を及ぼすのか成り行きが注目されている。
(参考)LGDのOLEDパネル製造量の90%は、LG電子に販売しているので、Sonyが販売する量は非常に少ないと推定される。OLEDパネルの価格は、毎年に歩留りが向上し、販売価格も下がっている。業界ではSonyの有機ELテレビの画質向上に期待し、サムスンの液晶テレビを上回り、Sonyのブランド力が上がり、逆にQD-LCDのサムスン電子のブランド力が低下するのではないかとの危惧がある。