2022.06.14 The Elec
サムスン電子のミニLEDテレビ「ネオQLED」出荷量の見通しが減った。グローバルな景気不確実性の影響と推定される。サムスン電子のミニLEDテレビ出荷量の予想値は減ったが、中国のTCLとLG電子などが生産量を増やし、今年の全世界ミニLEDテレビ出荷量は昨年の4倍以上に増えると予想される。
14日、市場調査会社オムディアと業界によると、今年サムスン電子のミニ発光ダイオード(LED)TVである「ネオQLED」TV出荷量は最大300万台と予想される。オムディアが最近に提示した今年のサムスン電子ネオQLEDテレビ出荷量の展望値300万台は、年初に予想した300万~350万台より最大50万台減った数値だ。国内業界の一部では今年のサムスン電子のネオQLEDテレビ出荷量が300万台を達成しにくいだろうという推定も出ている。
ネオQLED TVはサムスン電子が昨年に初めて発売したプレミアム液晶(LCD)TVだ。LCDパネルにクォンタムドット(QD)シートを適用したQLED TVシリーズにミニLEDを光源として使用し、コントラスト比などを改善した製品だ。昨年、サムスン電子のネオQLEDテレビ出荷量として知られる100万台前半は、会社内部の目標はもちろん、市場期待を下回った数値だった。
オムディアの今回の展望によると、サムスン電子は、今年はネオQLEDと一般QLED、残りの普及型LCDテレビに必要な大型LCDパネルを4600万台確保する計画だ。前回のオムディア展望値5300万台と比べると700万台が減った。コロナ19による北京などの封鎖、ロシアのウクライナ侵攻長期化、インフレ圧力などグローバル景気不確実性の影響と見られる。
サムスン電子のネオQLEDテレビ出荷量の見通しは減ったが、今年のミニLEDテレビ市場は大幅な成長が予想される。オムディアは昨年に190万台だった全世界のミニLEDテレビ出荷量が今年830万台まで増えると予想した。
今年、サムスン電子の次にミニLEDテレビ出荷量が多いと予想される企業は中国のTCLだ。TCLは今年、ミニLEDテレビを200万台出荷する計画だ。昨年(40万台)の5倍だ。次にLG電子50万台、ソニー30万台の順だ。有機EL(OLED)テレビと比較して相対的にミニLEDテレビの発売に消極的だったLG電子は、昨年はミニLEDテレビを6万台出荷するのにとどまった。
オムディアは、世界のミニLEDテレビ出荷量が今年830万台を記録した後、2023年に1580万台、2024年に2120万台、2025年に2470万台、2026年に2760万台に成長し続けると展望した。
一方、ノートパソコンやタブレットなどのミニLED IT製品の出荷量は2023年まで増えた後、2024年から下落すると予想された。2024年は、Appleが最初のOLED iPad(タブレット)を発売すると予想される年だ。ミニLEDを適用したアップルのプレミアムIT製品ラインナップがこの時からOLEDの採用を増やすと予想される。
年度別のミニLED IT製品出荷量は昨年1430万台から2022年に2080万台、2023年に2140万台まで増えた後、2024年に1790万台に減って2025年と2026年にはそれぞれ790万台となった。これに先立ち、2020年の業界では2021年からサムスン電子の主導でミニLEDテレビ市場が、アップル主導でミニLED IT製品市場が開花すると期待されていた。