2018.11.11 ET News
サムスン電子が「フォルダブルスマートフォン」の量産を策定し、どのような部品素材が最終製品に適用されるか関心が高まっている。フォルダブルフォンは、画面をたたんだり展開ができるという点が重要であるだけに、ディスプレイの素材部品が大きく変わる見込みだ。
サムスン電子は7日(現地時間)「サムスンの開発者カンファレンス」を開催し、フォルダブルフォンに適用される「インフィニティフレックスディスプレイ」を初公開した。フォルダブルディスプレイは7.3インチの大きさに画面が内側に折る、折りたたみ方式であった。ジャスティン・デニソンサムスン電子米国法人常務は「インフィニティフレックスディスプレイを開発するためにカバーウィンドウガラスの代わりをする新しい素材、数十万回たたんだ広げても耐える新接着剤を開発した」と強調した。サムスンは、デモ製品の外側に4.58インチサイズのディスプレイでも別につけた。これは去る9月に業界で確認されたフォルダブルフォンの仕様と同じだった。<本紙2018年9月6日付1面参照>
フォルダブルを可能にする鍵は、ディスプレイである。硬いだけだったディスプレイが柔軟になり(Flexible)、さらに折りたたみができるようになり、フォルダブルスマートフォンの登場を導いた。まず、フォルダブルディスプレイではカバーウィンドウ素材が変わる。既存の強化ガラスの代わりに透明ポリイミド(以下、透明PI)が適用される。サムスンが発表した「ガラスに代わる素材」がまさに透明PIだ。カバーウィンドウは表示画面を保護する役割をする部品を意味する。これまでスマートフォンのカバーウィンドウでは、強化ガラスが使われた。しかし、ガラスは折り畳むと割れる。一方、透明PIは、エンジニアリングプラスチックであり、しなやかさと同時に、耐久性を備えている。これは、ガラスのように透明なので、サムスンは強化ガラスではなく、最終的に透明PIを採用したものと思われる。
業界によると、サムスン初のフォルダブルポンに入る透明PIは住友化学が供給を行う。住友の透明PIは、ガラスのように高級感を与えることが分かった。
「数十万回たたんだ広げても耐える新接着剤」は、サムスンSDIが開発し、供給することが有力である。光学用透明粘着フィルム(OCA)と呼ばれるこの接着剤は、偏光フィルム、タッチフィルム、カバーウィンドウなどのディスプレイ部品を取り付けるために使用される。フォルダブル用のOCAは、繰り返して展開しなければならないフォルダブルフォンの特性上、折れ曲がる部位の耐久性が重要である。サムスンSDIは、4〜5年前からフォルダブルフォン用のOCAの開発に着手し、技術力を積んだ。サムスンSDIは、最近の実績カンファレンスコールで、「フォルダブルフォンに入るディスプレイの透明粘着フィルムとOLEDパネル工程向けの保護フィルムの二つの開発が終盤の承認作業を行っている」と述べた。OLEDパネル工程向けの保護フィルムは、ディスプレイ自体には適用されず、OLEDの製造過程上で使われるフィルムと伝えられた。
フォルダブルでは、ポリイミド(PI)ワニスも変わる。PIワニスは、ディスプレイ基板材料である。ガラス上に溶液状態であるPIワニスをコーティングした後、熱硬化させてPI基板を得る。折りたたみ可能なフォルダブルフォンのPIワニスはSU Materialsが供給することが分かった。SU Materialsは、サムスンディスプレイと宇部興産の合弁会社である。
このほか、偏光フィルム、ヒンジもフォルダブルフォンで注目すべき部品である。偏光フィルムは、特定の方向の光だけを透過させる機能がある光学フィルムである。ヒンジは折る部分の継ぎ目を務める構造物を意味する。サムスンフォルダブルポンに入る偏光フィルムは、日東電工が、ヒンジはKHバテクが製造することが分かった。
フォルダブルポンに入る有機EL材料セットは、「M8」構造であると考えられている。ディスプレイメーカーは目標の光を効率的に発光させるために最適な有機物の組み合わせを決定する。このように見つかった材料の組み合わせを、業界では「M7」「M8」「LT2」などと呼ぶ。M8は、サムスン電子のスマートフォンギャラクシーS8、ギャラクシーノート8、ギャラクシーS9などに使用された材料の構造である。SFC、新日鉄住金化学、DSネオルックスなどがM8の発光層向けの材料メーカーである。
サムスンは、フォルダブルディスプレイを数ヶ月内に量産する計画だと明らかにした。サムスンは、フォルダブルディスプレイに入る関連部品素材を関連企業に注文したことが分かった。