サムスンディスプレイは8,000億円を投資... 有機EL新工場A4を来月に着工、G6で月産6万枚


2017.06.19 hankyung news

 

サムスンディスプレイが新しい有機EL(OLED)の工場を建てるため、来月に工事をスタートする。工場建設には合計で8兆ウォンを投資する。2019年に本格量産に入ると、月産で6万枚(1次での生産規模)の第6世代OLED基板を製造する見通しだ。これにより、他のグローバル競合他社と生産能力の格差をさらに広げてしばらく「独走体制」を続けると観測される。

 

14日に忠南牙山(アサン)市によると、サムスンディスプレイは、その敷地での工場新築許可要請書を5日に受付した。牙山市は新築許可するかどうかを来月7日まで決定する予定だ。牙山市の関係者は、「長い間協議された事案であるだけに、大きな問題なく処理される可能性が高い」とし「早ければ今月末に工場新築許可が出るだろう」と明らかにした。サムスンディスプレイは新築許可が出ると、すぐに新しいOLED工場であるA4の建設に入る計画だ。 

 

サムスンディスプレイが新築許可を申請したA4工場の規模は、土地70万852㎡で、延べ床面積9万5,000㎡規模だ。工場サイズだけを見ると、第6世代OLEDを月産 13万枚を生産するためにA4の敷地近くに増設しているA3と似ている。

 

サムスンディスプレイは、まずA4に6世代OLED 6万枚を生産することができる設備を備える。以降、市場の状況に応じて生産設備を増やす予定である。主にギャラクシーS8エッジなどに採用する曲がる「フレキシブルOLEDパネル」を作る。会社側は今年の初めから、その地域で敷地造成工事を行ってきたが、具体的な設備の内容と着工時点を明らかにしていなかった。

 

横1,500㎜、縦1,850㎜の第6世代基板を切ると、5.5インチのスマートフォンの200台に相当するOLEDを作ることができる。A4が完成すると、サムスンディスプレイは、最大1,200万台、歩留まりを考慮すると、1,000万台前後のスマートフォン用OLEDを毎月追加生産することになる。サムスンディスプレイは、フレキシブルOLED生産規模を増やすために、昨年からの積極的な投資に乗り出している。3万人を雇用するA3の生産規模を13万枚まで増やす予定であり、TV用LCDパネルを生産していた牙山の7-1工場もOLEDの製造のために転換して4万5,000枚を目標に、来年から量産に入る。A2工場では、フレキシブルとは異なり、形状変形が困難なリジッドOLEDを月産で 15万枚作っている。

 

サムスンディスプレイのこのような積極的な投資は、Appleが注文する需要が増えているからだ。昨年に6世代フレキシブルOLEDパネルで 10万5,000枚分を毎月サムスンディスプレイから供給を受けることにしたアップルは、今年に入って6万枚分をさらに追加で依頼した。進行中の工場増設が全て終わった2019年で、サムスンディスプレイが生産するフレキシブルOLEDパネル 25万5000枚のうち65%をアップルに提供しなければならない状況だ。親会社であるサムスン電子に納品しなければならOLEDパネルの数量も少なくないうえ、Huawei社とOppoやVivoなどの中国企業も供給量を拡大する要請している。スマートフォン用OLEDの需要は増えているが、サムスンディスプレイのほか、他のグローバルサプライヤーは、目立たない状況である。LGディスプレーがE5で6世代OLED 1万5,000枚を生産しているだけである。今年のジャパンディスプレイが第6世代OLED生産に入るが、生産規模は月に3000枚で僅かである。このような理由から、サムスンディスプレイの独走はしばらく続くと業界は予想している。サムスンディスプレイの中小型OLED市場シェアは昨年96.7%であった今年第1四半期でも96.5%に達した。