サムスンディスプレイのフレキシブルOLEDラインの稼働率が上がらない... ギャラクシーの新製品の売り上げが低迷


2019.02.24 ET News

 

サムスン電子の戦略スマートフォンの新製品「ギャラクシー フォールド」と「ギャラクシーS10」の発売を開始するが、フレキシブル有機EL(OLED)の稼働率の回復をけん引ことはできないものと思われる。ギャラクシーフォールドの初期生産量が多くない上、S10の数量がS9と同様のレベルにとどまるとの見通しも出ている。 

 

23日、業界によると、サムスンディスプレイでは、昨年下半期に続き、今年上半期までA3ファブ稼働率が低い水準にとどまる見通しだ。 A3はギャラクシーのフレキシブルOLEDパネルを生産する。フォルダブルOLEDもA3でする可能性が高いが、具体的な生産ラインはまだ確定していないと思われる。 

 

業界では、主要な顧客であるサムスン電子の新製品発売効果で上半期の稼働率が上昇しているが、期待できる水準に及ばない可能性があると見た。ギャラクシーS10生産量が前作のS9と同様の水準と予想され、ギャラクシーフォールドは、最初のフォルダブルスマートフォンであるだけに、年間100万台の生産に止まるからである。 業界によると、A3ファブ稼働率は、Appleからの注文急減の影響で、昨年上半期に40%水準に落ちた。昨年下半期には、アップル新製品の発売効果で稼働率が60%水準を回復した。 

 

ギャラクシー新製品の発売を開始したが、上半期の稼働率には大幅な反発無い雰囲気だ。特に、1月と2月の稼働率が再び40%台を下回るほど低下したと把握される。3月から稼働率が再び上がっているが、上半期全体を基準に見ると、50〜60%台であるというのが業界の大半の意見だ。 世界のフォルダブルスマートフォン市場を牽引する中核製品として期待を集めたギャラクシーフォールドも今年ディスプレイ生産に大きな影響を与えることは困難と思われる。サムスン電子が年間100万台の生産計画を発表したが、既存のプレミアム製品のギャラクシーSシリーズの販売台数が年間4000万台規模であることを勘案すると、かなり少ない数字だ。 

 

業界関係者は「年間100万台はわずか数日で作ることができる試験生産レベルの数量」とし「これまで「ギャラクシーラウンド」など従来にはない技術製品を生産する時、サムスン電子が初期数量をテストレベルで生産していたと同じレベルだ」と説明した。 最初の生産であるだけにフォルダブルパネルの歩留まりが従来のフレキシブルOLEDよりも低くならざるをえない状況も考慮しなければならない。業界では、サムスンディスプレイ、フレキシブルOLED歩留まりを80〜90%、フォルダブルパネルはこれより低い60%台を推定する。サムスンディスプレイでは完成品の目標量が大きくなく、まだ正式生産を開始せずに最後まで技術の完成度を高めることが目的と推定される。 別の関係者は「サムスン電子が年間100万台の生産目標を立てたが、市場の反応、生産速度などを勘案して数量規模を調整することができる」とし「供給がさらに増える可能性もあるかも知れない」と述べた。 

 

業界では、A3の稼働率の回復が遅い理由の一つに、アップル用パネルの供給が減少したこと挙げた。昨年下半期に発売した新製品が前作のiPhoneⅩの販売数以下にとどまり、パネル注文量が減少した影響が最も大きいと見た。A3を構成する9つのラインのうちの6つは、Apple用パネルを生産するように設計された。 業界関係者は、「今年、中国のスマートフォンメーカーがフレキシブルOLED搭載を増やすかによって、サムスンディスプレイのラインの稼働率に変化が生じるだろう」と予想した。