2024.01.16 The Elec
サムスンディスプレイが今週、アップルのiPad向け有機ELディスプレイ(OLED)11インチモデルの低温ポリオキサイドトランジスタ(LTPO)薄膜トランジスタ(TFT)の生産に着手する。ディスプレイはOLEDピクセルを切り替えるスイッチとして機能するTFTから生産を始める。
サムスンディスプレイに先立ち、LGディスプレイも最近、13インチiPad向けOLED 1型TFTの生産に着手し、11インチモデルの生産も予定している。今年のAppleの初のOLED iPadの出荷予測は800万台で、昨年の業界予測の1000万台より200万台少なくなった。AppleのOLED iPadの完成品の出荷予定は4月である。
業界筋によると、サムスンディスプレイは今週、AppleのiPad用OLED 11インチ1型LTPO TFTの生産に着手する計画である。ディスプレイはOLEDピクセルを切り替えるスイッチであるTFTの生産から始める。
サムスンディスプレイの前に、LGディスプレイは最近、13インチiPad用のOLED 1型TFTの生産に入った状態だ。サムスンディスプレイと同様の時期に、LGディスプレイも11インチiPadのOLED TFTの生産に入ると見られている。
今年初めて発売されるAppleのOLED iPadは、13インチと11インチの2つのモデルで構成されている。LGディスプレイイは13インチと11インチの2つのモデルとも、サムスンディスプレイは11インチの1型だけを生産する。サムスンディスプレイは13インチモデルも開発課題を進めていたが、当分は11インチモデルのみを生産する。
今年のAppleのOLED iPadの出荷予測は最近800万台に減少した。昨年には業界で1000万台とされていたが、今年は業績が芳しくなく、AppleのIT製品の販売も不振だからだ。
LGディスプレイに続いてサムスンディスプレイもiPadのOLED生産に参入するが、生産効率や製造原価などは国内の2つのパネルメーカーの業績に影響を与える可能性がある。AppleのiPad OLEDの量産は今回が初めてであり、まだ生産効率が安定していない。
各パネルメーカーの強みと環境も異なる。サムスンディスプレイはLTPO TFTの生産経験があり、LGディスプレイは2層の発光層を積み重ねるツースタックタンデム(Two Stack Tandem)の生産経験が比較的多い。
工場の償却も変数だ。LGディスプレイは6世代のIT用OLEDラインである京畿坡州E6-4ラインを今回初めて稼働させる。LGディスプレイは2021年にE6-4に3兆3000億ウォンを投資すると明らかにし、昨年12月に有償増資計画を明らかにして、該当ラインに今年2~4四半期まで1038億ウォンを投資すると説明した。今年からE6-4で生産するOLEDの価格に償却が影響を与える。一方、サムスンディスプレイは償却が終了した忠清南道亞山A3ラインでiPad OLEDを生産する計画であり、製造原価には比較的余裕がある。
LGディスプレイはAppleが指定しない一部の部品(非指定部品)において、中国企業の割合を増やして製造原価を削減しているとされている。非指定部品はパネルメーカーが納入業者を選択できる。一部の中国製部品は国内政府の支援を受けることができるため、同業界の国内企業よりも低価格で部品を供給できるとされている。
AppleのOLED iPadの完成品は3月から生産に入る予定であり、4月には出荷が可能なスケジュールである。最近、Appleは業績の不振などから従来のiPadモデルを割引販売している。先週、米国で開催されたCESを前に、Appleは2月2日に米国で初のミックスドリアリティ(MR)デバイス「VisionPro」を発表すると明らかにし、これについて業界関係者は「Appleには業績不振を補おうとする『プッシュ』的な性質があるようだ」と評価している。
今年、AppleのOLED iPadの販売台数はIT製品のOLED市場の試金石となると予想される。Appleは今後もOLEDをMacBookなどに適用する計画を持っており、最近のIT不況とOLEDの適用によるiPad価格の上昇は、今年のAppleのiPadビジネスにとっての障害となっている。Appleの製品の中でiPadなどのIT製品はiPhoneよりも顧客忠誠度が低いため、OLEDの適用による価格上昇を相殺する要因も必要だ。