サムスンディスプレイ、青色OLEDを光源として使用する「QD-OLED」テレビのパネルを開発


2018.02.20 ET News

 

サムスンディスプレイがバックライトなしで自己発光する「QD-OLED」という新概念TVディスプレイを開発する。量子ドット(QD)と有機EL(OLED)の強みを組み合わせた新技術である。これまで競合他社のOLED TVプレミアムマーケティングに「量子ドットTV」で対抗した、サムスン電子のTVの新製品戦略にも変化が起こるか注目される。

 

 20日、業界によると、サムスンディスプレイは、新しいTVパネル技術でQD-OLEDを開発している。既存の量子ドットTVは、液晶表示装置(LCD)ベースのでLEDバックライトを光源として使用したが、QD-OLEDは、自己発光であるOLEDを光源として使用する。既存の量子ドットTVの限界として指摘された厚さ、視野角、応答速度などを克服することが目標だ。 

 

サムスンディスプレイが開発しているQD-OLEDは、LEDバックライトの代わりに青色OLEDを光源として使用する。RGB画素を実現するために、青色OLEDはそのまま、赤と緑は量子ドットを適用した別のカラーフィルタ(CF)を製作し、青OLEDの上に配置した。自ら光を出す自己発光OLEDの色再現力を高める量子ドットを組み合わせる構造を採用した。 

 

QD-OLED方式は、既存の商用化された量子ドットの性能向上フィルム(QDEF)LCDよりも薄くて軽いTVを作ることができる。別のバックライトなしで自己発光する青色OLEDを光源として使用するためである。QDEFを使用する必要がなく、部品点数も減少する。LCD TVの限界である視野角と応答速度の問題も改善することができる。 

 

サムスンディスプレイはQD-OLEDの試作品を55インチと65インチで製作した。この製品は、過去CES 2018で主要TVメーカーの関係者を相手にプライベート紹介された。サムスンディスプレイはこれと共に、次世代TVディスプレイ技術で、カラーフィルタを量子ドット素材に置き換えた量子ドットのカラーフィルタ(QDCF)LCDパネルもプライベートルームにプライベート展示した。 

 

QD-OLED技術はまだ完成していないと伝えられた。青色OLEDの上に赤と緑のQDCFを上げるときに、各画素間で青色光が漏れ出てくる現象が現れるからである。色を正しく表現することが困難になる。 

 

業界では、QD-OLEDが液晶を使用していない方法なので、事実上、サムスンがOLED TV市場に戻って進出するという観測も出ている。 

 

ある関係者は「サムスンは、カラーフィルタとホワイト画素を使用する競合他社のOLED TV技術方式を、真のOLED TVと認めなかった」とし「量子ドット発光ダイオード(QLED)の実装を最終目標としたが、技術難度が高く実用化に時間がかかるので量子ドットの強みを生かして短所を補完する新たな技術として進化し続けるためにQD-OLEDを試みたものとみられる」と述べた。