サムスンディスプレイ、フォルダブル生産は年末までに月産100万台に拡大... 素材・部品パートナーが拡大


2020.03.03 ET News

 

サムスンディスプレイがフォルダブルディスプレイの生産能力(CAPA)を今年末までに月に100万台水準に拡大する。生産能力を現在の4倍近くに拡充、フォルダブルスマートフォン市場の開花に合わせて供給量を増やす。生産設備の増設に応じてフォルダブルディスプレイに入る重要な素材・部品の供給メーカも追加選定する可能性があり、業界の関心が集まっている。

 

3日、業界によると、サムスンディスプレイは、現在の月産26万台の水準であるフォルダブルディスプレイの生産能力を5月までに60万台規模に拡大する計画だ。ベトナムのモジュール工場を中心に増設を実施し、量産能力を拡充する。また、今年の下半期にも増設を続けていく方針であることが分かった。

 

業界関係者は、「ランプアップの追加増設を行って、今年末までに月産能力を100万台規模まで備える計画である」と伝えた。

 

装置メーカーのフィルオプティクスの公示によると、5月末と7月末までにそれぞれ162億7000万ウォン、69億ウォン規模の装置供給が予定されてサムスンのディスプレイ増設予定とほぼ一致する。フィル・オプティクスは、フォルダブルディスプレイの製作に必須であるカッティング(切断)装置をサムスンディスプレイに独占的に供給する。

 

サムスンディスプレイがフォルダブルディスプレイの生産能力を拡大するのは親会社であり、重要な顧客であるサムスン電子のフォルダブルスマートフォン事業計画による。

 

サムスン電子は今年上半期に発売したギャラクシーフリップZに続き、下半期にも別の新型フォルダブルスマートフォンを販売する計画だ。昨年1つのモデルで、今年の2つのモデルで製品の数が増えるほど、ディスプレイの生産能力も必要となる。有機EL(OLED)パネルではなく、モジュールラインを増設するのはフォルダブルディスプレイの生産能力がモジュール製造と密接するからである。

 

フォルダブルOLEDパネルは、一般のフレキシブルOLEDの製造過程とほぼ同じである。ただし、後工程であるモジュールの製造段階でのフォルダブルディスプレイに合わせて部品や素材を接着、組立過程が異なる。サムスンディスプレイのフレキシブルOLED製造能力は、現在余裕があり、モジュールのラインへの投資を集中する。

 

サムスンディスプレイはサムスン電子だけでなく、他のスマートフォンメーカーにもフォルダブルディスプレイを供給するために増設の速度を出している。世界のスマートフォン市場が停滞している状況で、フォルダブルスマートフォンが次世代製品として浮上し、市場の先取りのために増設に乗り出している。

 

また、他のメーカーの関係者は「サムスンディスプレイがいくつかの中国のスマートフォンメーカーから依頼を受けてフォルダブルディスプレイの開発を進めていると聞いている」と注視している。

 

サムスンディスプレイ増設投資が材料・装置の産業界に与える影響にも関心が集まっている。フォルダブルディスプレイ増設は、より多くの素材や部品が必要とする、関連業界に機会が来る。需要が増え、市場が開かれる効果が生じるからである。

 

コア材料であり、最も重要な部品は、「カバーウィンドウ」である。カバーウィンドウは、外部の衝撃からディスプレイを保護する部品である。既存のスマートフォンでは、強化ガラスがカバーウィンドウであった。開閉するフォルダブルスマートフォンの特性上、新素材が必要であり、このための新製品が、透明ポリイミド(PI)と超薄膜ガラス(UTG)である。

 

サムスン電子は、最初のフォルダブルスマートフォンのギャラクシーマニホールドには、住友化学の透明PIを使用した。第二のフォルダブルフォンのギャラクシーZフリップにはドイツのショートガラスを韓国のウインシステムが加工したUTGを書いた。透明PIとUTGをそれぞれすべて1つの企業が製造・供給する状況なので、サムスンディスプレイは、サプライチェーンも拡充しなければならない。

 

業界関係者は「サムスンディスプレイの需要拡大を予想して、関連企業が透明PIやガラス加工事業を準備している」とし「近いうちに今後のモデルのサプライヤーが決定される予定でメーカー間の明暗が分かれるだろう」と述べた。