サムスンディスプレイ、フォルダブルOLEDディスプレイのパイロットラインを構築し、年内の量産が有力


2018.06.28 ET News

 

サムスンディスプレイがフォルダブルスマートフォン用有機EL(OLED)パネル試験生産に入る。

 

フォルダブルOLEDは成長が停滞したサムスンのスマートフォン事業を生かすことができる秘密兵器として期待を集めている。サムスンディスプレイも中国とのギャップを広げて稼働率を高くするには、フォルダブルディスプレイ以外の選択肢がないと判断し、量産に死活をかけている。 

 

28日、業界によると、サムスンディスプレイはフォルダブルOLEDディスプレイパネルの生産のために牙山湯井のA3の生産ラインにパイロットラインを構築して、近いうち稼動に入ることがわかった。 

 

構築したパイロットラインは1段階レベルである。生産コスト、品質管理は論外にして「一度生産を試みる」という概念で稼動される。

 

サムスンディスプレイは夏にパイロットラインを稼動して、ここで導出された問題点を改善した後、9月に2段階に発展させる計画である。この時からは製造原価と大量生産時の品質を管理する方向に工程が改善される。 無理なく技術開発が進めば、パイロットラインを量産用に切り替え、年末に10万個レベルで本格生産に入る計画であることが分かった。来年は年間約100万台を生産する計画である。 サムスンディスプレイがフォルダブルOLEDの試験ラインを作って量産を準備しているという事実が確認されたのは初めてである。 

 

サムスン電子は今年1月にあった実績発表カンファレンスコールで、「フォルダブルディスプレイの生産を準備をしている」と明らかにしたが、当時、サムスン電子は「稼動時期、生産製品、生産量などはまだ決まっていない」と述べた。 

 

フォルダブルOLEDパイロットラインは、主にモジュール工程で構成されている。サムスンディスプレイは、通常OLEDパネルモジュール工場をベトナムに設置しているが、フォルダブルOLED工程ラインは、韓国に置くことで方針を決めた。 サムスンディスプレイがフォルダブルディスプレイの生産準備に乗り出し、サムスン電子のフォルダブルスマートフォン量産体制も明らかにされた。 サムスン電子無線事業部は、サムスンディスプレイからフォルダブルパネルの供給を受けて、来年初めにフォルダブルスマートフォンを出荷する計画だ。サムスンのフォルダブルは、ディスプレイを内部に折り畳み、開いた時のサイズは7インチであることが分かった。 

 

折る方式もいくつかの方法が挙げられている。半分に折りたたみ時はディスプレイが見えなくて、3分の2程度を折りたたんで表出されたディスプレイに時間が表示されたり、電話がかかってきたときの番号を示す形など多様な形態を検討している。折りたたみ時のアスペクト比は、正方形より長方形に近いものと推定される。ただし、完成品の発売予定は、サムスンディスプレイがフォルダブルパネルの歩留まりと信頼性をどの程度まで確保するかにかかっている。 サムスン電子システムLSI事業部も無線事業部、サムスンディスプレイと協調してフォルダブルポンに合ったドライバICを開発している。画素密度が従来の製品との大きな違いは無いので、設計変更は大きくないものと伝えられる。 業界関係者は、「現在、サムスンディスプレイの生産ラインは、稼働率が低くなった状態」とし「フォルダブルのような革新的な製品が出れば、セット販売増え、稼働率も高くなるだろう」と期待感を表わした。