2021年9月30日 [デジタルデイリー=キム・ドヒョン記者]
サムスンディスプレイの量子ドット(QD)ディスプレイ量産時点が近づいている。今後、サムスングループのTVと中・大型パネル事業との関係が注目される。
このディスプレイ製造の最大の特徴は、「インクジェット」工程を導入する部分である。その工程の必須な素材は日本企業が担当することになった。
29日、業界によると、日本のJSRは、サムスンディスプレイにQDインクを供給する。最初の納品量では実質的に独占することが分かった。
サムスンディスプレイは、11月にQD-有機EL(OLED)の月産3万枚の量産体制に突入する。QD-OLEDは、青色(B)有機ELを発光源として、その上にQDカラーフィルタが配置される構造だ。フィルタは、赤色・緑色・青色(RGB)の3画素にそれぞれ配置されるが、ブルーは既に発光層にあるので赤と緑の色だけを色変換する。この工程で、インクジェット印刷が適用される。インクジェットは、文字通りインクジェットヘッド(ノズル)のインクを塗布する技術である。昇華の原理で材料を輸送する蒸着とは異なり、パネルの任意の画素に噴射することができるという長所がある。このために材料の損失も少ない。
JSRは、QD素材をインク化することに、最初に成功した。年末に量産されるQD-OLEDはJSRのレッド・グリーンQDインクが採用される見通しだ。サムスンSDIとソールルース先端素材も開発中であるが、納品までの時間が必要になると思われる。先にサムスンSDIは2021年第2四半期の実績カンファレンスコールで、「1年以内に採用が目標の材料・素材は、QDインク、OLED偏光フィルムなどがある」と述べた。ソールルース先端素材は、グリーンQDインクを開発完了した。レッドのインクも研究中である。
一方、インクジェット装置は、サムスン系列会社セメスターが納品した。サムスンディスプレイは追加のパートナー企業を検討中だ。