サムスンディスプレイ、2024年にフォルダブルフォンに透明PI基板を採用する目標


2022.10.05  The Elec

 

サムスンディスプレイが2024年頃にフォルダブルフォンに透明PI基板を適用するという目標を立てた。PI基板を透明PI基板に変えると光透過率が高くなり、アンダーパネルカメラで鮮明な写真撮影が可能になる。サムスンディスプレイは、サムスン電子のフォルダブルフォンを皮切りに、Apple iPhone OLEDにも透明PI基板の適用を狙うと予想される。LGディスプレイもアップル納品を目標に透明PI基板を開発している。

 

5日、業界によると、サムスンディスプレイは2024年に発売されるフォルダブルフォンに透明ポリイミド(PI)基板を適用するという目標を立てたと把握された。現在量産中のフォルダブルフォンなどに適用するフレキシブル有機発光ダイオード(OLED)は、ヌーン色のPI基板を使用するが、これを透明PI基板に置き換えることが目標だ。

 

サムスンディスプレイがフレキシブルOLEDに透明PI基板適用を計画する理由は、アンダーパネルカメラ(UPC)の光透過率向上にある。カメラ機能を使用した場合にのみレンズ穴が見えるUPCは、構造的にOLEDディスプレイの下に配置されている。UPCのカメラ機能を使用するときは、外部の光がフレキシブルOLEDを通過しなければならない。

 

サムスンディスプレイは昨年、サムスン電子ギャラクシーZフォールド3に初めて適用したUPCでこの欠点を補うために、UPC領域の画素密度をディスプレイ残りの領域の374PPI(Pixels Per Inch)の半分の187PPIに下げた。画素密度が低いと光を受けることができる面積を増やすことができる。同時に、UPC領域の表示画素サイズは残りの領域の4倍のレベルに上げた。このため、UPCとディスプレイの残りの領域の境界が簡単に目立つ。

 

サムスンディスプレイが計画通りに透明PI基板を適用すると、UPC領域の光透過率が高くなり、今より鮮明な写真撮影が可能になる。画素も今より密に配置でき、ディスプレイ周辺部や異質感も減らすことができる。

 

透明PI基板の生産に必要な透明PIワニスの耐熱性と高い価格などが課題だ。既存のPI基板は、液体状態のPIワニスをガラス基板上に載せた後、PIワニスが固まり(熱硬化)PI基板になるとガラス基板をレーザーで除去する工程(レーザリフトオフ)を経る。しかし透明PIワニスは耐熱性が弱く、同じ工程を進めにくいという。

 

サムスンディスプレイが昨年にギャラクシーZフォールド3から透明PI基板を使用しようとした。素材の信頼性確保などが容易ではないと判断し、サムスンディスプレイが透明PI基板の適用時期を2024年にとったと推定される。透明PI基板の開発に成功すれば、サムスンディスプレイはサムスン電子フォルダブルフォンOLEDに優先適用した後、アップルiPhone OLEDにも適用を狙うと予想される。

 

LGディスプレイも独自の技術ロードマップに従ってUPC適用のための透明PI基板を開発中だ。ロードマップによると、LGディスプレイはUPCの光透過率を2023年までに20%、2024年以降40%に高める計画だ。