2021.03.19 The ELEC
1月に、サムスンディスプレイのスマートフォン有機EL(OLED)パネル出荷量が昨年12月に比べ9%減少した。AppleのiPhone 12ミニ販売不振のせいだ。
19日、市場調査会社オームディアによると、1月にサムスンディスプレイの中小型OLEDパネル出荷量は前月より9%減少した4500万台だった。サムスンディスプレイがアップルに納品する、iPhone用のOLEDパネルの中でも、iPhone 12ミニが販売不振だった。
アップルは昨年下半期、iPhoneの12シリーズ4種を発売した。シリーズの中で最も小さい5.4インチのiPhone 12ミニの販売台数は、アップルの期待に大きく及ばなかった。部品の注文が急減したiPhoneの12のミニ用OLEDパネルはサムスンディスプレイのみ供給する。同時にオフシーズンの第1四半期であり、OLEDパネル出荷量の減少に影響を及ぼした。
サムスンディスプレイが、中国のセットメーカーに納品するリジッドOLEDパネルの需要は、堅調である。ガラス基板を使用するリジッドOLEDは、比較的価格が安い。アップルのiPhoneとサムスン電子のギャラクシーS21シリーズは、比較的高価なフレキシブルOLEDを使用する。フレキシブルOLEDは、ポリイミド(PI)基板を適用する。
1月の全世界のスマートフォンOLEDパネル出荷量は5300万台で、前月より9%減少した。5300万台のうち、サムスンディスプレイの割合(4500万台)が85%で、シェアが高い。LGディスプレーは、同じ期間のパネルを600万台出荷した。そのほとんどがiPhone 12などに適用するOLEDパネルである。
OLEDと液晶(LCD)を加えた1月の世界のスマートフォンのパネル出荷量は1億6400万台である。前月より4%減少したが、前年同月比35%増加した。米国の制裁で、スマートフォン事業が縮小したHuaweiの代わりを狙う多くのスマートフォンメーカーがパネル備蓄量を増やした。
このうちOLEDは5300万台、価格は最も手頃なアモルファスシリコン(a-Si)薄膜トランジスタ(TFT)方式LCDは、前月と同様の4900万台、a-Si TFT方式よりも電子移動度が速い低温多結晶シリコン(LTPS)TFT方式LCDは、5200万台である。
オームディアは、OLEDパネルよりLTPS TFT方式LCDパネルの需要の減少が少ないと述べた。ディスプレイドライバIC(DDI)供給不足によるOLEDパネル出荷量の減少がLTPS TFT方式LCDパネルの需要に影響を与え始めたという評価も付け加えた。オームディアは、半導体ファウンドリ業界のDDI供給不足でパネルの生産が不安定になったと評価した。
1月にスマートフォンパネル出荷量順位では、サムスンディスプレイとBOE、天馬が1〜3位だ。OLEDとLCDの両方を加えた数値である。三会社のスマートフォンパネル出荷量は全体の65%である。
BOEのパネル出荷量は4400万台である。サムスンディスプレイ(4500万台)と100万台の差があるBOEは、LCDの割合が大きい。サムスンディスプレイはすべてOLEDだ。天馬のスマートフォンパネル出荷量は1700万台である。LCDの割合が圧倒的であり、OLEDの割合は2%(30万台)である。