2016.08.29 Edaily アップル向けなどスマートフォン用OLEDの需要が大幅に増加し、今年の設備投資金額が増大。 スマートフォン用ディスプレイ市場が液晶表示装置(LCD)から有機EL(OLED)に急激に転換し、サムスンとLGが投資を前面に出した競争に突入した。 サムスンディスプレイは、Appleの新型iPhoneと中国のスマートフォンメーカーの需要に対応するため、中小型OLED投資に乗り出す。一方、LGディスプレーは、曲げたり、折りたたみ可能なプラスチックOLEDの大規模な投資を介して、次世代ディスプレイ市場を先制攻略するという戦略だ。 ◇サムスンディスプレイ、上半期に3,200億円(3.4兆ウォン)投資し、アップル向けフレキシブルOLEDの納品準備 29日、業界によると、サムスンディスプレイは忠南牙山に位置するフレキシブルOLED生産ラインを中心に増設投資をしている。サムスンディスプレイは、今年上半期だけで3兆4,000億ウォンをライン増設などの製造設備投資に使用した。下半期にも2,800億円(3兆ウォン)水準の投資を執行し、来年も5,000億円(5兆ウォン)以上の投資に乗り出すものと予想される。これにより、サムスンディスプレイのスマートフォン用OLEDの増設投資規模が来年までに10兆ウォンを上回るものと見られる。このような大規模な投資は、Appleをはじめとする中国などの主要スマートフォンメーカーが新型スマートフォンにOLEDを適用すると予想されるからである。 フレキシブルOLEDを搭載したスマートフォンは、サムスン電子が昨年リリースしたギャラクシーS6エッジが代表的である。今月初めに発売したギャラクシーノート7は、フレキシブルOLEDを全面搭載し、製品の設計の完成度を高めて画質も優れているという評価を受けている。米国画質評価機関ディスプレイメイトはギャラクシーノート7のフレキシブルOLEDが歴代の画質評価の中で最も優れた性能を示していると明らかにした。 サムスンディスプレイは、来年上半期にAppleのiPhone用ディスプレイパネルを供給するためにフレキシブルモバイル用OLED生産能力を2017年までに、既存の3倍に引き上げる。 ここで、スマートフォン世界最大の市場である中国でもOLEDが大きな人気を集め、現地スマートフォンメーカーのOLEDパネルの需要も増えている。市場調査会社IHSは、今年の中国のスマートフォンメーカーのOLEDパネル購買量が昨年より70%も成長し、8,500万台と予想した。 サムスンディスプレイの関係者は、「第1四半期の中小型OLED市場シェア97%以上を占め、市場をリードしてている」としながらも、増える顧客の物量注文に対応するために、OLED増設投資を進めている」と説明した。 ◇LGディスプレーは3.35兆を投資する。中小型OLEDに対応 LGは、これまでTV用大型OLEDに投資を集中したが、最近ではスマートフォン用OLEDパネルの生産拡大のために大規模な投資を実施している。これは、生産能力の問題でサムスンに対抗し、AppleのiPhone用OLEDパネルの供給に対応するためある。 LGディスプレーは、スマートフォンなどに入るプラスチックOLED市場の拡大に積極的に対応するために、合計3,100億円(3兆3,500億ウォン)を投資することにした。2017年上半期まで亀尾工場に1兆3,600億ウォンを投資したしたのに続き、坡州工場も2018年までに月1万5,000枚規模の6世代プラスチックOLED生産ラインを構築するために、1兆9,900億ウォン規模の投資を決定した。欧米に続き、坡州で生産が2018年本格化すれば、LGディスプレーは、プラスチックOLEDスマートフォン事業拡大の基盤を用意することになる。 今後の10年以上は投資を継続してOLEDを通じたディスプレイのルネサンス時代を開くという計画も立てている。LGディスプレーは第2四半期の業績カンファレンスコールで「今年から2018年までの将来準備のためのOLEDの投資が中心になるだろう」とし「会社の財務的体力が健全で、今後2~3年の投資は、財務的に問題はない」と自信を持った。LGディスプレーの関係者は、「坡州工場で生産している小型IT機器用OLEDパネルの数量が少なく、顧客の量的な注文に対応していなかった」とし「来年上半期に亀尾工場でプラスチックOLED量産が開始されると、大規模な顧客の納品対応が可能になるだろう」と語った。