サムスンディスプレイの有機ELパネルが搭載されたHPのラップトップ
2016年6月13日 UBIリサーチ ガンヒョンジュ/ jjoo@olednet.com
有機ELパネルは様々な利点があり、ノートブック、タブレット、モニターなどにも適用が増えている。これにより、サムスンディスプレイの有機ELパネルがこの市場で本格的に広がっている。
HPは最近、サムスンディスプレイの2560×1600の解像度の13.3インチ有機ELを搭載したノートパソコンの「Spectre 360」向けに出荷を開始した。1月にラスベガスで開催された「CES 2016」で、サムスン電子がサムスンディスプレイの12インチの有機ELを搭載された「ギャラクシータブプロS」を公開し、HPとDellもサムスンディスプレイの13インチ台有機ELを搭載したノートPCを発表した。
サムスンディスプレイは、5月にサンフランシスコで開催された「SID 2016」で2560×1440の解像度の13.3インチと14インチのノートパソコン用有機ELを展示し、ノートPC市場を積極的に攻略した。続いて、国内のあるメディアでは、サムスンディスプレイは、ラップトップやモニター用低解像度LCDパネルのTNパネルの生産を中止するという報道が出たりした。
サムスンディスプレイがノートPC市場の攻略を本格化することは、有機ELの様々な利点を掲げプレミアム市場を創出しようとする戦略とみられる。
有機ELは、LCDに比べてコントラスト比が優れていてより鮮明な画質を有し、LCDより多くの重量を減らすことができ、プレミアム市場形成が容易である。有機ELの欠点として見なされた「バーンイン(burn in)」現象も多くの改善されたことが分かった。このためにサムスンディスプレイはノートブック、タブレット用の有機EL市場の開拓に積極的に乗り出している。実際にUBIリサーチの調査によると、サムスンディスプレイの2016年1四半期のタブレット用有機ELパネル出荷量は、前年同期比10倍以上に増加した。
現状では価格がLCDに比べて高いため、医療用などの専門家市場攻略を開始する必要があるが、今後、価格競争力も高まると、大衆化も可能だろうという期待が出てくる。
UBIリサーチの「2016 有機ELディスプレイAnnual Report」によるとノートパソコン、モニター用に対応する11インチ〜30インチの有機ELパネル出荷量は今年10万枚を記録する見込みであり、2020年には、これより10倍に成長すると予想される。