2019.01.14 ET News
サムスンディスプレイが、次世代大型ディスプレイ技術で開発している量子ドット-有機EL(QD-OLED)が、LGのホワイトOLED(WOLED)より色再現力が優れていると主張した。サムスンは今後も、大型OLEDパネル市場でQD-OLEDがWOLEDより進化した技術という点を主張すると思われる。
14日、業界によると、サムスンディスプレイは、CES 2019で少数の国内外の業界関係者を対象に、65インチのQD-OLEDの試作品を披露した。現在、サムスンディスプレイが保有している関連の最新技術を反映して製作した。
この席で、サムスンディスプレイは商用化されたLGディスプレーWOLEDとQD-OLEDを比較デモを行い、自社技術の優位性を強調した。QD強みである色再現力が優れていると評価した。サムスンディスプレイが分析した色再現力は、QD-OLEDが90%台、WOLEDが70%台である。
WOLEDとQD-OLEDの構造の比較(図=UBIリサーチ)
発光する青色OLED材料の寿命を高めるために、青色の層は、2つのスタックで設計したことが発表された。
QDカラーフィルターは、インクジェット印刷ではなく、フォト(露光)工程を使用した。インクジェット印刷を利用してQD層を作製する技術がまだ安定していなかったためと思われる。今回展示したプロトタイプは、フォト工程を用いてカラーフィルターのQD層をパターニングする方法で製作した。
酸化薄膜トランジスター(TFT)は、かなりの技術進展を遂げたと思われる。サムスンディスプレイは酸化膜TFT技術を持っているが、第8世代級の大型基板を大量生産した経験がほとんどない。
今回のプロトタイプで実装された酸化物TFTの性能は比較的優れているという評価を受けた。酸化TFT技術で追いつくには、かなりの時間が必要になると予想されてきたが、早期に解決することができるものと思われる。
専門家は、QD-OLED生産コストを下げるためには、カラーフィルターを使用しない構造が必要であると指摘した。カラーフィルターを使用しないために、QDをインクジェットプリンティング方式でパターニングする技術の成熟が必要と強調した。
寿命と信頼性の数値は、外部に明らかにしないことがわかった。まだ開発中の技術であり、パイロット生産過程で改善余地があるからと思われる。 市場調査会社UBIリサーチは第8世代基板規格で月産で2万6000枚の投資額が、QD-OLEDは11億ドル、WOLEDは10億7000万ドルと分析した。QD-OLED投資額が1.03倍と僅かに高いことになる。