2020.08.23 ET News
サムスン電子が来年の発売を目指しミニLED TVを開発する。既存のプレミアムTVのラインアップであるマイクロLEDとQLED TVに加え、ミニLEDを新しいプレミアム製品として追加する。サムスン電子は、中国TVメーカーが大挙参入しミニLED市場に参入することで、グローバル市場対応を強化するものと思われる。
23日、業界によると、サムスン電子が個あたり100〜300マイクロメートル(㎛)サイズの小さなLEDをバックライトとして活用するミニLED TVを開発中であることが分かった。
ミニLEDをぎっしりと配置して、光源(バックライト)に使用すると、画面をより明るく鮮明に実装することができる。輝度と明るさが向上し、部分的にLEDをオン/オフを制御するローカルディミング技術を適用すると、ブラックの発現レベルも大幅に向上させることができる。ブラック表現が向上すると、コントラスト比も高くなる。
サムスン電子は、来年のミニLED TVを200万台生産する計画であることが分かった。注目される部分は、ミニLED TVがサムスン電子TVラインナップの中でどこに配置されるかだ。現在の最上位製品では、マイクロLEDがあり、その下にQLED TVがある。サムスン電子がミニLEDにQDフィルタを組み合わせた場合QLEDより上位等級になると予想される。
ただし、ミニLED TVを製造するときにLEDの使用量が増え、工程が複雑になるので、生産単価が上がる問題を克服することが重要である。
業界関係者は、「コスト(Cost)が上昇すると販売価格が高くなるしかないので、単価引き下げ案を心配していると聞いている」と伝えた。
サムスン電子がミニLED TVを開発することは準備中の量子ドット(QD)ディスプレイの状況とも関連があるという分析が出ている。サムスン電子の子会社であるサムスンディスプレイは、プレミアムTV用パネルとしてQDディスプレイを準備中だ。サムスンディスプレイは、7月に蒸着装置の搬入を始め、本格的な設備のセットアップに入った。今年の下半期の生産ラインの構築を終えた場合、来年から段階的試作を経て、本格的な製品の量産に突入する予定だ。
QDディスプレイは、プレミアムTV市場を狙って作られた製品である。イ・ジェヨン三星電子副会長が去る3月に、QD事業点検をするほど力を入れている。しかし、QD量産は多少時間がかかる見通しだ。年内にQDラインが納入されても試作を経て量産まで至るには時間がかかる。
このためにサムスン電子が中国などの競合他社のハイエンド製品に対応するために、ミニLEDを準備するという分析だ。特にTCL、コンカ、チャンホンなど中国メーカーがミニLED TVを戦略製品として打ち出す計画で、これに対する対応を強化しようとする布石だ。LG電子も今年初めCES 2020でミニLEDを披露した。
サムスン電子の関係者は、「ミニLED TVの技術検討はしている」と言いながらも"製品を発売するかどうかとラインナップ構成などはまだ決まっていない」と述べた。