2016-06-22 news1 Korea
OLED装置の専門メーカーSunicシステムが、日本メーカーが独占しているOLED蒸着装置の国産化に挑む
LGディスプレーとも数年間の協力を行っており、2016年中にLGディスプレーの供給計画がある
国内ディスプレイ装置の専門中小企業のSunicシステム(代表イヨウンジョン)が高難度な技術であり、日本企業が独占していた有機EL(OLED)パネルのコアの生産設備の国産化に成功し、アップルに納品したことが確認された。Sunicシステムは、今年中にLGディスプレーへも機器を供給する計画である。
台湾のディスプレイ業界の関係者は6月22日に、「Sunicシステムが昨年に、アップルの台湾ロンタン(龍潭)にOLED蒸着装置一台を販売した」と明らかにした。続いて、 「今年はさらに一台追加販売されるだろう」と付け加えた。
蒸着は、OLEDパネルの製造で最も重要な工程である。OLEDの発光物質が基板に均等に付着になるように真空チャンバ内でのプロセスが行われるが、この時に使用されているチャンバーがOLED蒸着装備である。蒸着装置は、フルラインで設置する場合は1台当たりの価格は1000億ウォン以上である。
ロンタンは台湾の台北から約50㎞の距離にある都市である。ここにあるアップルの生産研究所は、OLEDを含む、次世代のディスプレイを密かに研究・開発しているところとして知られている。50人のエンジニアがおり、台湾のディスプレイメーカーであるAUOから採用した人材も勤務している。
これまでOLED蒸着装置の市場は、日本の「キヤノントッキ」が事実上独占してきた。全世界向けに最も多くのOLEDのスマートフォンを生産するサムスン電子が最大の顧客である。ただし設備の製造工程が非常に難しく、キヤノントッキも年間の生産量が4〜5台に過ぎないようである。サムスンディスプレイがキヤノントッキの1年の生産能力に匹敵する規模の購入契約を締結しているので、他のパネルメーカーがキヤノントッキから機器の供給を受けることが容易ではない状況である。国内ではLGディスプレーが数年前から、国内のSunicシステムとサンプルのテストなどを共同進行し協力をしてきた。その結実でLGディスプレーは今年中にSunicシステムの蒸着装置を亀尾工場に持ち込む計画である。
Sunicシステムは、1990年に設立されたOLED機器の専門会社だ。OLED市場の遅い進展にずっと赤字に苦しんでおり、2009年に韓国内のディスプレイ検査装置メーカーである東亜エルテック・バレアの買収された。東亜エルテック・バレアは現在Sunicのシステムの株式70.08%を保有している。Sunicシステムの昨年の売上高は、288億ウォンであり、営業損失は49億ウォンである。アップルが次世代ディスプレイを研究・開発することと関連して、専門家たちは、自分に合った源泉技術を確保しようとする試みと解釈している。製造ノウハウを持っていれば、ディスプレイをサムスンとLGだけでなく、他社にも発注する場合に有利になる。
国内ディスプレイ業界の関係者は、「アップルの台湾研究所にある生産設備は、一種のパイロット(試験)水準である。」とし「アップルは製品の量産を100%外注に任せるだけではなく、直接に開発した新技術の量産性を検証していると見るか、OLEDパネルの理解を高めるための目的でOLED蒸着装置を購入したのではないと推定される」と述べた。