2018.05.28 ET News
アップルが2019年のiPhone新モデルの全量に有機EL(OLED)を採用することが確定した。プレミアムスマートフォンだけでなく、普及型モデルもOLEDを採用する。これまで需要の減少に萎縮したOLED部品業界が、成長すると期待される。
28日、複数の業界関係者によると、最近、Appleは2019年、iPhone新モデルの企画を開始し、3種すべてにOLEDを採用することを決定した。これまで業界では、今年のiPhoneの2種はOLEDで1種はLCDで、それぞれ発売し、来年も同じ選択をすると観測していた。
アップルの内部事情に詳しい関係者は「最近、アップルが2019年のiPhoneモデルの企画を開始し、3種すべてのOLEDを採用することにした」とし「iPhoneのⅩ(テン)に採択したOLEDが、低温多結晶シリコン(LTPS)LCDより画質、性能など、かなり優れていると評価するなど、内部の満足度が高い」と伝えた。
アップルがiPhoneの新モデル全量にOLEDを採用すると、モバイルLCD市場は打撃を受けざるをえない。iPhone向けLTPS LCDを最も多く供給するジャパンディスプレイ(JDI)が影響を受ける。
LGディスプレーは、iPhoneにフレキシブルOLEDを供給しなければ、モバイルの売上高の減少を避けることができない。 現在OLEDパネル単独サプライヤであるサムスンディスプレイは実績が大きく改善されると予想される。需給量が増えれば、単独サプライヤの状況を好まないアップルの特性上、LGディスプレーが新たに供給会社に正式に選ばれる可能性もある。
プリント回路基板(RFPCB)をはじめ、OLEDの主要部品・素材メーカーも成長の機会を迎えることになる。
業界はアップルが全量OLEDを採用するプレミアムスマートフォンを中心に採用されたフレキシブルOLEDはミッドレンジ市場に広がっているきっかけになると予想した。 問題は、高価な価格である。フレキシブルOLEDパネルの価格が高く、スマートフォンセット価格が高くなる。アップルが中低価型モデルにOLEDを採用しても購入需要を触発させるにはセット価格が低くなってはならない。AppleはiPhoneⅩが1000ドルを超える高価に設定した。 ある関係者は「最近、スマートフォンセットメーカーは、カメラとセンサーなどに支払う費用が高くなったが、重要な性能を下げて全体のセット価格を下げることができる」とし「購入量を増やす割引率を高く適用受け購買単価を下げることもできる」と分析した。
サムスンディスプレイからの供給パネル数量が増加すると、新しい設備が必要となる可能性も考えなければならない。しかし、A3ラインの歩留まりが大幅に向上されて生産量が増加し、A4ラインも稼動できるので、新しいA5工場への投資までは必要が無い可能性がある。
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UBIリサーチ発刊の『2018 OLEDディスプレイ産業アニュアルレポート』は、リジッドからフレキシブル、ソリューションプロセスまでOLED全般において、パネルメーカーの開発動向、重要事項、採用製品の現況、市場など様々な観点から分析を行い、今後ディスプレイ市場の注力となるOLED産業を展望する上で有用な情報について説明しています。また、2017年におけるOLED採用製品の現況をスマートフォンとTVなど様々なアプリケーションに分類し、その発売動向と関連重要事項について確認することもできます。