アップル、フレキシブルOLEDを独自開発...台湾に第2.5世代のR&Dラインを構築


<アップルの台湾のディスプレイ研究センターと推定される建物(写真= AppleInsiderの)>

2017.07.20 ET News

 

アップルがフレキシブル有機EL(OLED)の研究開発(R&D)ラインを構築した。パネル製造工程の技術力を確保する。スマートフォン向けアプリケーションプロセス(AP)を独自に開発するために、プレミアムOLEDを自力で開発、製造方法でも差別化を図るという戦略である。

 

20日、業界によると、最近、Appleは、台湾研究所の第2.5世代基板のフレキシブルOLED R&Dラインを備えた。プロセス技術を研究する目的である。これまではAppleは、台湾でガラス基板のOLED工程を研究したが、最近、フレキシブルOLEDに転換した。 

 

アップルは、台湾のR&Dのラインに、韓国製のSunicの蒸着装置を導入した。プロセス技術は、蒸着、エッチング、コーティング、洗浄などの各生産段階で高い技術が要求され、歩留りと品質を左右するほど重要である。生産ラインを保有していることが、パネルメーカーのコア競争力として挙げられる。ディスプレイと半導体の両方について、いくら回路をうまく設計して、高品質の材料と装置を使用しても、プロセス技術がなければ円滑に生産することがない。世界有数のディスプレイ・半導体企業が使用する製造装置や材料を同じように使用しても結果が雲泥の差を見せる。 

 

アップルが直接に工程技術の確保に乗り出したのは、パネルメーカーへの依存度を下げ、次世代ディスプレイ技術を先取りするための戦略と思われる。自社に特化したプロセス技術を適用すると、同じパネルメーカーで生産した製品であっても結果が違ってくる。次世代技術を先取りすることで、最も先進的なディスプレイを独占確保、自社製品に使用することができる。 

 

アップルはこれまで台湾でリジッドOLEDプロセス技術を研究した。フレキシブルOLEDが市場の大勢であり、フォルダブル、ローラーブル、透明ディスプレイなどの応用分野が広範囲て成長性が高いと評価した。次世代ディスプレイ技術を先取りすると完成品の競争力と差別性が向上させることができるので、直接に工程技術の確保に乗り出したとみられる。 

 

アップルは、直接パネルを生産していないが、パネルメーカーに準ずるレベルの技術と専門技術者を保有している。前工程と後工程全般にわたって、世界レベルの機器、材料、部品企業と直接会っての技術と製品を把握する。自社製品の生産ラインにどのような技術と製造設備を使用するかを直接に決定し、パネルメーカーへ要求ほどだ。 業界関係者は、「アップルがOLEDのiPhoneの生産のために、サムスンからディスプレイ製品を供給されているが、指紋・顔認識機能の程度を除けばギャラクシーS8シリーズに搭載されたパネルとはすぐに大きな差別化要因がないように見えるのが問題である」とし「特化したプロセス技術を備えれば、特定のパネルメーカーへの依存度を下げることができ、戦略レベルで後発の供給会社と技術を共有し、短期間で生産レベルを引き上ることができる」と分析した。 

 

別の関係者は、「拡張現実(VR)・バーチャルリアリティ(AR)など、様々な未来のディスプレイ技術に裏付けされなければ、新しいデバイスの市場を開拓して先取りすることができない」とし「既存の製品の差別化はもちろん、次世代デバイスの競争力を確保するために、独自のディスプレイ技術をさらに高めようとする試みとして見る」と説明した。