UDC、有機EL発光材料の寿命と効率が低下しない、有機蒸気ジェット印刷技術などを開発


2017年3月13日 UBIリサーチ

 

UDCの副社長であるMike Hackは、UBIリサーチが主催した第3回OLED KOREA CONFERENCEのセッションで有機蒸気ジェット印刷(Organic Vapor Jet Printing)技術を紹介した。

 

Mike Hackは「有機蒸気ジェット印刷(OVJP)技術は、既存のink-jet方式の溶液プロセスとは異なり、蒸着工程で使用されるOLED材料をそのまま使用することができ、マスク(FMM)、溶剤が必要がない」と強調した。

 

 

 

この他にもUDCが開発したNovel BY Display Architectureを紹介した。発表によると、この構造は、一度に2 ピクセルを蒸着できるので、マスクの開口サイズを増加できる。また、Novel BY Display Architectureは、既存のRGB方式の代わりにblueとyellowのサブピクセルを交互に蒸着して、yellow サブピクセルの半分に、redとgreen カラーフィルターを上下対称配列することを特徴とする。

 

Mike Hackは「この構造により、blueとyellow サブピクセルのfill factorを最大に増加させ、OLEDパネルの色再現率の増加と効率、寿命を最大化した」と述べた。このほか、ピクセルあたり3data未満のラインを利用し、EML蒸着(FMM利用)も2段階のみで構成されて製造コストの削減が可能な利点があることを言及した。

 

 

 

最後に、UDCは、燐光の発光材料とホスト材料を開発し、実用化を目指していることを付け加えて発表を終えた。

 

 

一方、UBIリサーチの「Solution Process OLED市場への参入の可能性分析レポート」によると、インクジェット溶液プロセスに適用される発光材料は、蒸着工程に使用される発光材料を様々な溶媒に混ぜてインク化する方式である。これは、材料の純度が低く、発光効率と寿命が低下させる欠点があった。それでもsolution processはカラーフルターを使用せずに、発光材料の使用効率を向上させることができ、大面積OLEDパネルをGen8以上の装置で分割せずにRGB ピクセル構造で製造することができる利点があり、主要パネルメーカーからの積極的な開発と商用化への競争が活発に行われている。