韓国のSunicシステムが、プレインソース技術で高解像度の11K AMOLEDパネルの製造技術を発表


2016年8月29日 UBIリサーチ

済州島のICCコンベンションセンターで開かれたIMID2016で、Sunicシステムが発表した、11K(2,250 ppi)AMOLED製造のためのソリューションが話題になっている。

今年初めに開催された第2回OLED Korea Conferenceで、サムスンディスプレイのファンインソン首席研究員は、「VRでは、高解像度が重要であり、約2,000ppi程度が必要でがあり、VRデバイスで臨場感をよく感じることができるだろう」と発表し、VRでは、ディスプレイに接する距離が近いため、解像度が落ちるという点を解決すべき課題として挙げた。

しかし、現在のmobile機器用AMOLED panelの最高解像度は、サムスンディスプレイがSID2016で公開した806 ppiが最高解像度である。

現在AMOLEDパネル量産に適用されている技術は、線形ソースからOLED発光材料を熱蒸発させ、蒸発されたOLED発光材料がFMM(fine metal mask)を通過して基板に蒸着される原理である。

しかし、OLED発光材料の蒸着過程で蒸着ソースとFMMの間の距離とFMMの厚さ、FMMと基板との間の距離によりOLEDの発光材料がFMMを通過する時に入射角(θ)が生じれ、入射角によりSD( shadow distance)が発生することになる。SD問題のためにFMMを設計時SDを最小限に抑えるためmaskの厚さとstep hightを決定する必要があり、これが高解像度のFMM製造を困難にする主な原因である。


Shadow distance原理、SunicシステムIMID2016


Plane Source Process、SunicシステムIMID2016


プレインソースの適用application、SunicシステムIMID2016


プレインソースの適用application、SunicシステムIMID2016

Sunicシステムのファンチャンフン博士は「プレインソースを使用すると、SD値を従来比約8倍まで減らすことができており、VRのための11K(2,250 ppi)AMOLED panel実装が可能になり、大面積のSMS蒸着技術でも8K(200 ppi)RGB OLED TV用パネル製造が可能となる。」と説明した。

特にプレインソースを適用したSMS蒸着技術が大面積に適用が可能になり、大面積OLEDパネル製造技術にも大きな影響を起こすことができると予想される。

現在までRGB方式で大面積OLED パネル製造のための技術としては、インクジェットプリンターを適用したプレインソースが重点的に開発されているが、soluble OLED発光材料の性能が従来の蒸着用OLED発光材料よりも低い問題があった。しかし、プレインソース技術が開発に成功し、適用可能なるなら、蒸着用OLEDの発光材料をそのまま使用することがでるので、プレインソースOLEDがより高性能な大面積OLED Panel製造技術になることが期待される。

一方、Sunicシステムは、LG Displayに国内機器メーカーで初めてGen6蒸着装置を納品し、2018年から本格的な量産が可能と予想される。