2022.04.18 The Elec
SKイノベーション子会社SKアイテクノロジー(SKIET)がHPにフォルダブルノートブックカバーウィンドウ素材透明PIフィルムを供給する。量産数量は少ないが、新事業で困難を経験したSKIETは透明PIフィルム量産を確保することができる。
18日、業界によると、SKIETはヒューレットパッカード(HP)が発売を準備中のフォルダブルノートブック用カバーウィンドウ素材透明ポリイミド(PI)フィルムを単独供給する予定だ。SKIETが透明PIフィルムをLGディスプレイに供給し、LGディスプレイはフォルダブル有機EL(OLED)パネルを製造してHPに納品する予定だ。
このフォルダブルOLEDノートブックは展開すれば17.0インチ、折れ曲げれば11インチ台の画面となる。画面が中に折れるインフォールディング方式パネルで、解像度は4K(3840x2160)だ。HPは、フォルダブルノートブック完成品を今年末または来年初めにCESで公開すると予想される。
SKIETがHPに供給する透明PIフィルムの量は今年1万枚を小幅上回ると推定される。LGディスプレイがHPに納品するフォルダブルノートパソコンのOLED量も数千台から1万台以内と多くはない。LGディスプレイが該当パネルを第3四半期から量産する予定で、SKIETも同様の時期透明PIフィルムを生産するものと見られる。
量は少ないが、SKIETは透明PIフィルムの量産を確保することに意味がある。SKIETは2020年、中国のローヨルに透明PIフィルムを供給した後、明確な事業成果がなかった。透明PIフィルム事業の売上は2020年26億ウォンから昨年4億ウォンに落ちた。全体売上で占める比重も2020年0.6%から昨年0.1%に減少した。
SKIETは今回、HPに透明PIフィルムを供給するため、競合他社より大幅に低い入札価格を提示したことが分かった。8インチ透明PIフィルム基準で競合会社が15~20ドルを提案したとき、SKIETはその半分以下のレベルである8ドル内外を提示したと伝えられた。
同時に昨年にSKIETはフォルダブル製品カバーウィンドウ市場で、透明PIフィルムと競争関係である超薄型ガラスの上に適用できる保護フィルム開発をめぐっても、超薄型ガラスの後加工業者と協力を進めたことが分かった。
現在、フォルダブルスマートフォンのカバーウィンドウ市場では超薄型ガラスが主役であるが、フォルダブルノートブックのカバーウィンドウ素材の方向性に対しては、事業継続の可能性がある。視認性や肌触りなどで、消費者とセットメーカーが超薄型ガラスを好むという点で意見が一致するが、しかし量産性や価格などでは透明PIフィルムが有利だろうという考えも出ている。
一方、今回のLGディスプレイのHPフォルダブルノートPCのOLED量産供給は、2020年のレノボフォルダブルノートパソコンパネルに続いて2番目だ。今年初め、CESでLGディスプレイはインフォールディング方式の17インチフォルダブルOLEDを公開し、この製品をノートパソコンやタブレット、ポータブルモニターとして活用できると説明した。
これに先立ち、2020年末に発売された世界初のフォルダブルノートブックのレノボ「シンクパッドX1フォールド」パネルもLGディスプレイが量産供給した。シンクパッドX1フォールド画面サイズは、広げたとき13.3インチ、折ったとき6.2インチだった。解像度は2048×1536であった。この製品のカバーウィンドウ透明PIフィルムは、コーロンインダストリーが納品した。
なおメーカー別透明PIフィルムの商品名は、コロンロンダストリーがCPI(Colorless PI)フィルム、SKIETがFCW(Flexible Cover Window)である。