2017年5月29日 UBIリサーチ
BOEは25日(現地時間)、米国ロサンゼルスで開催されたSID 2017で世界初のelectroluminescence量子ドット技術が適用されたQLEDディスプレイを2種(5インチ、14 インチ)を展示し来場者の大きな関心を集めた。
BOEの5 inch QLEDディスプレイは320 x 240(80ppi)の解像度を持ち、LTPS TFTが適用された。一方、14 inch QLEDディスプレイの解像度は960 x 540(80ppi)であり、oxide TFTが適用された。
<BOEが展示した5インチ(左)、14インチ(右)QLEDディスプレイ>
今回に公開されたBOEのQLEDディスプレイは、これまでサムスン電子の「photoluminescence量子ドット技術」が適用されたSUHD TVとは異なり、バックライトがない自発光の「electroluminescence量子ドット技術」が適用されたディスプレイからである。
一般的に、量子ドットを利用するディスプレイはメカニズムは2つ(photoluminescence量子ドット技術とelectroluminescence量子ドット技術)に分類される。
Photoluminescence量子ドット技術は、外部光によって刺激された物質が再び光を出すメカニズムを持つ。サムスン電子は、この技術をバックライトから出る青色光にQD sheetをつけた形で活用してLCD TVに適用している。
これに対し、electroluminescence量子ドット技術は、電気を加えたとき、自ら光を出すメカニズムであり、構造は、OLEDと似ている。
UBIリサーチのイ代表は過去のanalyst columnを通じて「photoluminescence量子ドット技術は、ディスプレイの色再現率を向上させるために、現在LCD TVに適用しておりLCD TVとして最高の製品であることには間違いないが、electroluminescence量子ドット技術が適用されてこそ、真の意味でのQLEDディスプレイとなる」と述べている。
BOEの関係者は、QLEDディスプレイに「既存のOLED構造に有機物の代わりに無機物を使用して、信頼性を向上させており、色再現率がOLEDに比らべて広いのが特徴」であり、「100%のインクジェット印刷方式で製作するQLEDは、蒸着法で製作するOLEDに比べて製造コストの削減と、大面積に有利である」と説明した。
これまで業界ではQLEDディスプレイが量産に適用されるまでには少なくとも5年以上かかると予想しているので、BOEのこれらの研究の結果electroluminescence量子ドット技術が適用されたQLEDの商用化をどのようして早めることができるか、またはディスプレイ産業にどのような影響を与えるか帰趨が注目される。