QD-OLEDに対抗するための今後のWRGB OLED技術の改善


2022年5月27日 UBIリサーチ

 

2022年にサムスンディスプレイのQD-OLEDが本格的にテレビやモニターに適用され始めたが、大型OLEDディスプレイ市場を主導していたLGディスプレイでもWRGB OLEDに対抗する技術の変化がある。

 

LGディスプレイのWRGB OLEDは2021年末までは坡州ラインでブルー2層とred+yellow green 1層からなるWBC構造であり、広州工場からブルー2層とred+green+yellow green  1層からなるWBE構造が生産された。WBE構造の青色に重水素置換技術を適用した。

 

2022年からLGディスプレイは坡州ラインでWBC構造のパネル生産を中断し、広州で生産されているWBE構造のグリーンに重水素置換技術を適用した「OLED.EX」パネルを生産している。

 

SID 2022では、LGディスプレイはマイクロレンズアレイ技術が適用された大型OLEDパネルを展示した。Micro lens array技術は、サムスン電子の「Galaxy S Ultra」シリーズに適用され注目された技術で、大型OLEDでは初めて適用される技術だ。LGディスプレイはマイクロレンズアレイ技術を適用し、従来より20%の輝度向上を期待できることが分かった。Micro lens array技術が適用されるパネルは今年下半期から坡州で生産が予想される。

 

さらにに最近には、LGディスプレイはWRGB OLEDに黄色い緑を取り除いた構造を開発中であることが分かった。Yellow greenを無くすことにより、材料費と工程費を低減することができ、一部の色の再現率の向上も期待される。

 

QD-OLEDに対抗するためのLGディスプレイのWRGB OLEDがどのように進化するのかが注目される。