OLED市場が急成長から調整期に突入


2020年12月 1日 UBIリサーチ

 

サムスン電子とアップルをはじめとするスマートフォンメーカーがフラッグシップモデルにOLEDの使用量を増やすに沿って急成長していたOLED市場の成長にブレーキがかかった。

 

毎年3四半期は新型iPhoneの発売により、スマートフォン用OLED実績が最も良いシーズンである。UBIリサーチ(www.ubiresearch.com)のディスプレイマーケットトラックによると、今年第3四半期には1億1300万台が出荷されて前四半期670万台に比べて2633万台が増加し、30.4%の成長を見せた。しかし、この数値は錯視現象によるものである。理由は、新型コロナのせいで第1四半期と第2四半期の業績が以前に比べて非常に悪かったからである。今年第3四半期の出荷量を昨年第3四半期と比較してみると、17.9%が減少した数値である。2018年第3四半期よりも出荷量が少ない。

 

 

 

第3四半期にスマートフォン用OLED出荷量が減少したのは、新型コロナ19に華為(ファーウェイ)制裁が加えられたためである。サムスンディスプレイとBOEの華為向け出荷量が急減したことが、第3四半期の業績を悪化させた。

 

華為の制裁によって、サムスン電子とOppo、Vivoなどの企業が反射利益を得るという分析もたくさんありますが、サムスン電子は現在中国で市場を失っており、OppoとVivoのブランド力は華為に及ばないので、華為が占有した中国内の高価なスマートフォン市場を代替することは厳しい状況だと思われる。したがって、OLEDを主に使用して来た華為のスマートフォンが市場から消えるされて、サムスンディスプレイとBOEの出荷も期待より減るしかない。

 

3億台市場を突破しOLEDを大量購入すると期待していた華為のスマートフォンの生産支障によって、スマートフォン用OLED市場は当分の間、成長が鈍化すると予想される。その結果、中国でのOLED市場は深刻な供給過剰の事態を苦しむだろう 。