2023年11月16日 ETNews
来年を目途に、ほぼすべてのiPadモデルに有機EL(OLED)搭載が予想されています。Appleは、iPad Pro 11インチと12.9インチモデルからOLEDパネルの適用を始め、それを拡大してiPadミニとAirにも搭載する計画とされています。
具体的には、2026年にiPadミニとiPad AirにOLEDを搭載する予定です。iPadミニには8.7インチのOLED、iPad Airには10.9インチの適用を進めています。
iPadミニは携帯性を重視したタブレットであり、iPad Airはプロより性能と価格が低い中堅モデルです。
Appleは、OLEDは液晶ディスプレイ(LCD)よりも薄く軽いため、iPadの性能向上と差別化の要素としてOLEDの導入と適用を拡大するとされています。
ただし、高性能モデルであるiPad ProとAir、ミニに搭載されるディスプレイの性能には差があると予想されます。Appleは、iPhone Proに高リフレッシュレートのOLEDを適用するなど、一般モデルとプロモデルの性能に差をつけています。
市場調査会社Stone Partnersによると、iPad Proモデルには、ツースタックタンデム、ガラス基板ベースのハイブリッドOLEDで低温多結晶酸化物(LTPO)OLEDパネルが適用されます。
iPad Air、iPad Miniなど他のモデルには、シングルスタックの低温多結晶シリコン(LTPS)OLEDが搭載される予定です。
ロードマップ上、注目すべきは2027年に12.9インチOLEDを搭載したiPad Airモデルが追加されることです。これまでiPad Airは10.9インチ製品のみがリリースされていました。
また、2027年にはProモデルのOLEDがアップグレードされます。具体的には、CoE(Color Filter on Encapsulation)を採用して、パネルの光効率を向上させる次世代パネルが搭載される見通しです。
CoEは、OLEDの封止層の上にカラーフィルタを乗せる方式であり、偏光板を使用しないため、光効率が向上し、パネル駆動消費電力を20%削減できる部品です。透過率が高く、ディスプレイの下にカメラを隠すアンダーディスプレイカメラ(UDC)を実現するための重要な技術でもあります。
一方、AppleはMacBookにも2025年からOLEDパネルを採用する予定です。16インチモデルを始め、2026年には13インチ、14インチ、15インチなどのOLED採用モデルが増える見込みです。