2018年 11月 22日 UBIリサーチ
中小型と大面積OLED蒸着装置を開発しているベンチャー企業OLEDONのファン・チャンフン代表は、11月30日にUBI Researchの主催でCOEX(韓国ソウル三成洞)で開催される2018年OLED産業セミナーで、超格差AMOLEDの製造技術である「ベルト型面蒸発源FMM蒸着技術」と「超大面積QD-OLED TV製造用垂直ベルト型面蒸発源蒸着技術」を発表する予定だ。
OLEDONが世界で初めて開発に成功した面蒸発源技術は、金属面に1次有機物を蒸着した後、上方向に再蒸発させることで、2250ppiの超高解像度の微細パターンを形成する原理である。このような面蒸発源の工程には、1次蒸着・面蒸発源のインバージョン・2次蒸発など、3つの工程が必須となり、量産に導入する場合、それによる高真空チャンバーの数も増加する。今回、OLEDONが紹介するベルト型面蒸発源FMM蒸着技術は、上記で説明した全ての工程を一つの蒸着装置内で行うという概念で、金属面をベルト型にした連続面蒸発源供給型蒸着技術である。
ファン代表は「ベルト型面蒸発源を用いると、蒸着チャンバーを新たに製作しなくても、従来第6世代のリニア蒸発源FMM蒸着装置に早速導入できる」と明かし、「これを活用すれば、近いうちにスマートフォンに搭載するAMOLED素子とVRディスプレイの解像度が画期的に向上するとみられる」と述べた。
続いて「垂直ベルト型面蒸発源を用いれば、QD-OLED TV用第12世代級の超大面積基板にたわみが生じることなく、蒸着工程をスムーズに行うことができる」と言い、「垂直ベルト型面蒸発源蒸着装置は、基板を垂直に立てて蒸着する概念で、Framed glass chuckとオープンマスクの荷重負担が軽減され、基板搬送が容易になり、停止状態で均一な超大面積薄膜の蒸着工程を進めることができる」と明かした。この技術によって第8世代はもちろん、今後、第10世代以上の基板サイズとなるクラスター型量産用蒸着装置にも活用できると予想される。
最後に、ファン代表は最近青色物質の物質変性試験と青色ドーパントの蒸着試験を成功的に終えたことを明かし、未来の中小型および大型OLEDの製造には、すべて面蒸発源蒸着技術が用いられるようになると見込んだ。
OLEDONは面蒸発源とベルト型面蒸発源蒸着装置の特許を含め約30件の特許を保有しており、最近には量産用垂直ベルト型面蒸発源蒸着装置に関する特許を出願した。