OLEDON、檀国大学校と次世代高解像度パターニングができる蒸着技術の共同開発に成功


2017年 6月 2日 UBIリサーチ

 

先日のSID 2017で、檀国大学校ジン・ビョンドゥ教授と同大学兼任教授であり、韓国OLEDON代表ファン・チャンフン博士は、0.38umのShadow Distance(SD)を実現できる面蒸発源パターンイング蒸着技術の共同開発に成功したと発表した。

 

ファン代表は、昨年開催された2016 IMIDビジネスフォーラムで、面蒸発源(Plane Source Evaporation)と厚さ100umのShadow Maskを用いて1.1umのShadow Distanceを実現できたと発表したことがある。当時、ファン代表は、「Step Heightを3umまで抑えると、理論上ではShadow Distanceを0.38umまで実現できるため、OLEDパネルの解像度を2250ppi以上に上げることができる」と説明した。

 

この発表は、実際に面蒸発源を採用し、SDを0.38umまで実現させた実質的な結果であるため、量産への採用可能性を一層高めることにつながり、今回SID 2017に来場した業界関係者から大きく注目を集めた。

 

現在、OLEDパネルの量産技術は、約3umのShadowを生成し、QHD(約600ppi以上)解像度を実現するには限界があった。3umのShadowは、UHD(約800ppi以上)AMOLEDパターニング工程を行う際に、隣接した微細パターンが重ね合され、微細パターンの密度が低下する。そのため、現在のOLEDパネルは、QHD解像度のみ生産している。

 

OLEDONが開発した面蒸発源パターニング蒸着技術が、量産に採用されると、Shadowの距離を0.38~0.56umの範囲まで縮めることができるため、解像度は従来の約8倍まで上がる。また、規模を拡大するための開発を続け、大型OLEDパネル生産産業にも採用されたら、3300ppi以上の超高解像度を持つスーパーウルトラHD(SUHD)解像度のマイクロAMOLED素子が製造できるようになる。

 

<面蒸発源蒸着技術によって収集されたShadow Data>

 

ファン代表は「高真空環境で金属面に有機物を蒸発及び蒸着し、有機分子薄膜を形成した後、再び蒸発を行い、基板にコーティングのため蒸着するというアイディアから、有機分子ビームの蒸発角を最小限に抑えられる条件を発見した」と述べた。

<ファン代表がSID2017で発表した面蒸発源の原理>

 

最近、ディスプレイの解像度への関心が高まりつつあり、OLEDONによる研究結果は、関連業界に大きい変化をもたらすと見られている。

 

ファン代表は、蒸着装置専門メーカーを始め、25年間新しいコンセプトの蒸着技術開発に取り組んでおり、面蒸発源による蒸着技術関する特許(下向式熱的誘導蒸着による線状の有機素子量産装置:登録番号101206162000)を取得した。